素晴らしい活躍だ
アルゼンチ代表はFIFAワールドカップ・カタール大会でファイナルに進んだ。グループステージ初戦ではサウジアラビアに敗れる波乱を味わったが、その後は冷静さを取り戻したのか、とんとん拍子で決勝まで駒を進めた。
チームの中心はもちろんリオネル・メッシなのだが、試合を重ねるごとに若手の重要度が高まっている。フリアン・アルバレスのことだ。今大会で初先発となったのは、グループステージ最終戦のポーランド戦で、そこからは全試合に先発している。クロアチア戦ではメッシと2トップを組み、2ゴールを挙げた。得点ランキングでは4ゴールとメッシ、キリアン・ムバッペに次ぐ2番目の好成績である。
これだけW杯で価値を高めれば大会終了後、争奪戦になるのだが、すでにマンチェスター・シティが昨季の冬の移籍市場で、わずか1700万ユーロでこの優秀なFWを確保している。
シティ・フットボール・グループは世界各地のクラブを買収してその地域にスカウト網を張り巡らせている。南米にも目は行き届いており、シティは2016年の時点でアルバレスに目を付けていたという。元シティのパブロ・サバレタは「グアルディオラの理想的な選手だ」とアルバレスを称賛していた。
W杯決勝でのパフォーマンスも楽しみだが、大会終了後、シティでどのような立ち位置になるのかは興味深い。
現状の立ち位置は控えだ。センターフォワードにはアーリング・ハーランドがおり、彼を怪我以外の理由でベンチに座らせる理由はない。ただアルバレスをベンチに座らせるのは勿体ない。
アルバレスはハーランドと同様にストライカーと呼ばれる選手だが、昨季偽9番をやってきたシティらしさが感じられるFWだ。最前線で体を張って何かをするよりも、バイタルエリアで前を向いて仕事をするタイプ。そのため、ハーランドとの共存は期待できる。ゴール前で縦関係となるのがベストか。ただそのポジションにはケビン・デ・ブライネがいて、彼もハーランド級に欠かせない選手であることは間違いない。
今の[4-3-3]で出場機会を得るとすれば右ウイングが候補として挙がる。ラヒーム・スターリング、ガブリエウ・ジェズスが抜けたことでライバルは減っており、リヤド・マフレズとベルナルド・シウバの2人とポジションを争えばいい。B・シウバはインサイドハーフも兼任しており、最大のライバルはマフレズか。アルジェリア代表FWは今季不調スタートで、指揮官であるジョゼップ・グアルディオラは後半戦でアルバレスをどのように起用するのだろうか。