カタール・ワールドカップ(W杯)敗退後、ベルギー代表監督からの退任を発表したロベルト・マルティネスが、同代表を長年牽引したエデン・アザールについて語った。スペイン紙『AS』が報じている。

 アザールはチェルシーで圧倒的な活躍を続け、前回のロシアW杯ではベルギーを過去最高の3位に導いた。しかし、2019年夏にレアル・マドリーに移籍して以降は、度重なる怪我に悩まされ、稼働率が著しく低下。クラブではほとんど戦力になっておらず、カタールW杯のメンバー入りを疑問視する声も上がった。

 それでも、マルティネス監督の信頼は厚く、キャプテンマークを巻き、自身3度目のW杯を戦ったアザールだが、ほとんどインパクトを残せず。グループステージで終戦を迎えた後、指揮官と同じタイミングで代表を離れると宣言した。

 マルティネスは「彼が望んでいるのは、マドリーのファンへ自分のベストバージョンを提供することだ」と愛弟子の思いを代弁し、代表招集に関する自身の信念もこう伝えた。
 
「エデンにとって、この2年間がクラブレベルでどれだけ難しいものだったかは知っている。彼は考える時間がありすぎて、とても大変だったが、100%の努力をして、クラブで成功したいと思っている。毎週末プレーしていない選手には、常に雑音や疑念がつきまとうので簡単ではない。

 とはいえ彼は背番号10を別の次元に引き上げたユニークな選手だ。私たちの間で代表チームに入るべきかどうかという議論はなかった」

 また、カナダとの初戦後に報じられたチーム内の不和にも言及。具体的なソースまで挙げ、報道を完全に否定した。

「悪い雰囲気? 完全に嘘だ。非常に強力で献身的なグループだからね。フランスのメディアが、事実でないのに争ったという誤った報道をし、それが(次の)モロッコ戦の敗戦でさらに大きくなった」

 6年指揮を執ったマルティネスは去り、アザールにケビン・デ・ブライネ、ロメル・ルカク、ティボー・クルトワらを加えた黄金世代はベテランの域に。新たなサイクルに突入したベルギーは、これからの4年でどのような変化を見せるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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