カタール・ワールドカップの決勝が、いよいよ現地時間12月18日の18時(日本時間で24時)にキックオフされる。まず気になるのが、アルゼンチン代表とフランス代表のスタメンだろう。
 
 今大会のアルゼンチン代表はここまで、4バックと5バックを併用。リオネル・スカローニ監督は前日公式会見で、「すでにスタメンは決めている」と明言したものの、もちろん名前は明かさなかった。
 
 ただ、相手には1対1でほぼ止めることが不可能なキリアン・エムバペがいるし、フランス代表は4-2-3-1が基本型ながら攻撃時は3-2-4-1に近い形を取って5レーンを埋めてくる。前日練習で時間を割いた5バックでスタートしてくる可能性が高い。
 
 そうなるとスタメンは、GKがエミリアーノ・マルティネス、最終ラインが右からナウエル・モリーナ、クリスティアン・ロメロ、ニコラス・オタメンディ、リサンドロ・マルティネス、マルコス・アクーニャか。中盤はロドリゴ・デ・パウルとアレクシス・マク・アリステルは確定で、アンカーはレアンドロ・パレデスとも悩むが成長株のエンソ・フェルナンデスと読む。2トップはもちろんリオネル・メッシとフリアン・アルバレスだ。
 
 スカローニ監督はここ数日の練習で4-3-3もテスト。最終ラインからL・マルティネスを削って、アンヘル・ディ・マリアを右ウイングに入れる形だ。これが先発イレブンになる可能性もゼロではないがやや攻撃的な布陣であり、前述した理由を考えれば、ゴールが欲しい場面での限定的なオプションになりそうだ。
 

 一方のフランス代表は、小さくない不安を抱えている。チーム内でインフルエンザのような症状が流行しており、12月16日の練習はラファエル・ヴァランヌ、イブライマ・コナテ、キングスレー・コマンが体調不良で、テオ・エルナンデズとオーレリアン・チュアメニが怪我で欠席。いずれも17日のトレーニングには参加したが、体調不良で準決勝を欠場したダヨ・ウパメカノとアドリアン・ラビオを含めて、どこまでコンディションが上がっているか。
 
 システムは今大会の基本型である4-2-3-1でほぼ間違いない。スタメンは全員が起用可能ならば、GKがユーゴ・ロリス、最終ラインが右からジュル・クンデ、ヴァランヌ、ウパメカノ、テオで、中盤はチュアメニとラビオ、2列目がウスマンヌ・デンベレ、アントワーヌ・グリーズマン、キリアン・エムバペ、最前線がオリビエ・ジルーになるはずだ。
 
 もしチュアメニが厳しいならセントラルMFはユースフ・フォファナが代役になるだろうが、テオが出場不可となると状況が厳しくなる。テオの実兄リュカ・エルナンデズが大会初戦で大怪我を負っているため左SBは本職のバックアッパーが不在で、グループリーグ第3戦のように本来MFのエドゥアルド・カマビンガを起用せざるをえなくなるのだ。あるいは昨年のEUROのように、ラビオを左SBに回すウルトラCに打って出る可能性もゼロではない。
 
 いずれにしてもディディエ・デシャン監督は、選手のコンディションを見ながら難しい舵取りを強いられそうだ。スタメンの人選はもちろん交代枠の使い方にも注目したい。
 
取材・文●白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)


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