勝利こそ指揮官の評価を高める
ベスト4ではダークホースのモロッコ代表をきっちりと撃破し、FIFAワールドカップ連覇へ王手をかけたフランス代表。前回王者としての重圧に負けず勝ち上がってくるあたりはさすがだが、フランスの戦いは決して圧倒的と言えるものではない。
ベスト8のイングランド戦も相手の方がシュート数は多く、内容ではイングランドが上だったなんて意見もある。ベスト4のモロッコ戦もピンチの場面がいくつかあり、それをチーム全員で凌いできた。
ディディエ・デシャン率いるフランスの戦いは地味に映ることもあるが、フランスのジュリアン・ローレンス記者は今のチームが内容ではなく結果にとことんこだわることの出来るチームと評価する。
「デシャンは素晴らしい仕事をしている。同じ監督だからというのもあるが、今のチームは2018年のチームと似ている。彼らはもっと良いプレイができる。だが、デシャンはそれよりも勝てるチームを作っている。気にしているのはそこだけだ。勝つことがすべてだ」
先制してからは引いて守りを固めることも多く、これは4年前から変わらない。そしてボールを奪えばシンプルに前線のキリアン・ムバッペを走らせていく。派手な攻撃ではないかもしれないが、堅い守備をベースに前線の個の能力を活かすスタイルは代表の短期決戦を勝ち抜くうえでは理想的なものなのだろう。