アーセナルや名古屋グランパスなどの監督を歴任したアーセン・ヴェンゲル氏が、FIFAワールドカップカタール2022を振り返り、自身の見解を示した。17日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。
大会史上初となる中東開催のカタールW杯も、残すは『アルゼンチン代表vsフランス代表』の決勝戦のみに。今大会では、日本代表やサウジアラビア代表の“ジャイアントキリング”やスペイン代表の2大会連続のベスト16敗退、モロッコ代表のアフリカ勢初のベスト4進出など、数々のドラマが生まれた。また、オランダ代表FWコーディ・ガクポやクロアチア代表DFヨシュコ・グヴァルディオールといった次世代のスーパースターたちがブレイクを果たしている。
そんな今大会でヴェンゲル氏は、現代フットボールの潮流が『カウンター』となり、『ポゼッション』が廃れてきていることに言及。代々受け継がれてきた『ポゼッション』スタイルで世界王者にも輝いたことのあるスペイン代表を引き合いに出し、フットボールの真髄について語った同氏は「スペインのテクニカルなスタイルが死んだとは考えない。素晴らしい技術的な基盤を持っているから、また成功するだろう」と口にしつつ、「フットボールは技術的なスポーツだ。私たちは、これからも技術のクオリティを高めていかなければならない。スペインのサッカーは、集団的知性の例と言えるだろう。否定するつもりはない。今大会では、さまざまな場面で技術的なクオリティが要求されているからね」と見解を示した。
また、ヴェンゲル氏は「今大会は、爆発的なパワーを持つ選手、その特性を生かしてディフェンスラインを突破する選手の大会だった。それにフットボールの進化も示したね。若手選手がブレイクすると同時に、(リオネル・)メッシ、(オリヴィエ・)ジルー、(ルカ・)モドリッチを筆頭に、選手のキャリアの長さを示す大会でもあった」と振り返っている。