息を吹き返したフランスをもアルゼンチンは退けた

アルゼンチンの優勝で終わったFIFAワールドカップ・カタール大会。決勝戦では優勝候補筆頭のフランスを打ち破って栄光を掴んだ。

試合は序盤からアルゼンチンペースとなる意外な展開だった。大方の予想はキリアン・ムバッペとウスマン・デンベレのサイドアタッカー陣が躍動してフランスがアルゼンチンを攻め立てることになると思われていたが、真逆の内容だった。

リオネル・メッシが敵陣で起点となって左サイドのアンヘル・ディ・マリアや中央でボールを待つフリアン・アルバレスがフランスゴールに襲い掛かる。すると、そのディ・マリアがデンベレにボックス内で倒されてPKを獲得。キッカーのメッシが冷静に決めて1-0とリードを得た。

得点を奪われたフランスだが、準決勝まで見せていた勝負強さを発揮することができない。試合前に報じられていた体調不良の影響なのか、攻守両面で強度が足りない場面が散見される。ムバッペはいつも通りの怪物だったが、さすがのムバッペでもアルゼンチンDFに囲まれてしまえばボールを失うことになる。

アルゼンチンが36分にディ・マリアのゴールで追加点を挙げた段階で、試合は決まったかに思われた。実際に前半のフランスには覇気がなく1stシュートは71分までなかったという。

しかしいきなりフランスが息を吹き返す。80分にPKを獲得すると、これをムバッペが確実に決めて2-1とアルゼンチンに詰め寄る。このゴールでフランスに勢いが生まれ、その1分後である81分にムバッペが同点弾を挙げる。そこからはフランスのペースだった。キングスレイ・コマンやランダル・コロ・ムアニと前線の選手は交代でリフレッシュしており、アルゼンチン守備陣は苦戦を強いられる。

英『talkSPORT』によると、フランスがアルゼンチンに追いついた81分はSNS上にて今大会のW杯で最も盛り上がった場面になったという。

「1秒間に24400ツイート、W杯史上最高」

Twitterを買収し、CEOとなったイーロン・マスク氏はムバッペの同点弾の後にこのようなツイートをしている。どうやらゴール直後は大盛り上がりだったようで、1秒間にW杯関連のツイートが24400個もあったようだ。今大会で最多の数字とされており、W杯・カタール大会が最も盛り上がった瞬間といえる。

同点弾後は両者ともにボルテージが上がり、延長含めた120分の死闘はPK戦で決着がついた。アルゼンチンの勝利で、W杯制覇は1986年以来のこととなる。