36年ぶりの戴冠へ

36年ぶりにFIFAワールドカップを制したアルゼンチン。チームの中心となったのはリオネル・メッシだが、メッシに優勝させるというチームメイトの強い思いが原動力となり、栄冠を掴み取った。

また注目されたのが、リオネル・スカローニ監督の手腕だろう。メッシを中心としたチーム作りを遂行し、相手に合わせながらシステムを変え、[4-2-3-1][4-4-2]といった基本形に3バックも併用するなど、幅の広さを見せる。

選手起用でもエンソ・フェルナンデスやフリアン・アルバレスといった若い逸材も戦力として大きくチームに貢献。決勝戦ではアンヘル・ディ・マリアの左ウイング起用が当たり、彼が2ゴールに絡む活躍を見せるなど、勝負師としての一面を見せ、コパ・アメリカ制覇から上がり続ける評価は、さらに高まった。

そしてスカローニ監督を支えるスタッフも往年の名プレイヤー揃いだった。アルゼンチン代表としてW杯出場経験もあるスカローニ氏だが、監督歴としてはクラブでの経験はない。そんな若手監督を支えるべく、現役時代には同監督とチームメイトが脇を固めているのだ。特に攻撃担当には母国のレジェンドの1人でもあるパブロ・アイマールコーチで、守備ではインテルでUEFAチャンピオンズリーグ優勝も経験しているワルテル・サムエルコーチ。さらにアルゼンチン代表でキャプテンも務めたロベルト・アジャラコーチも入閣して指揮官を全面的にサポート。選手だけでなくスタッフ陣も一枚岩となってW杯制覇を掴み取ったのだ。