モドリッチを欲しくないチームはない
近年は選手寿命が延びてきており、30代後半でも活躍する選手が増えてきている。それこそFIFAワールドカップ・カタール大会を制したアルゼンチン代表のリオネル・メッシは35歳で初のタイトルを獲得した。他にもポルトガル代表のペペは39歳ながらスイス戦で豪快なヘディングシュートを決めてチームに貢献している。
W杯では日本代表の前に立ちはだかったルカ・モドリッチも大ベテランと呼ばれる年齢になっている。
9月に37歳となったモドリッチ。しかしそのパフォーマンスは年齢から来る衰えを感じさせないものであり、ピッチに立てば誰よりも走ってチームに貢献する。
米『ESPN』ではW杯が終わったこのタイミングで、大会で得たデータを集計して様々なランキングを発表している。
モドリッチは“プログレッシブパス”の本数が69本で大会最多を記録しており、前回のロシア大会よりも18本多い数字となっている(ここでのプログレッシブパスは直近6本のパスの中で最も高い位置からさらに10ヤード、ボールを進めたパスのことを指す)。
つまりプログレッシブパスが多いということはそれだけ、ボールを前に進めたということになる。現代サッカーではハイプレスで相手のビルドアップに制限をかけようとするチームが多い。W杯での日本もそうだった。そういった戦術のカウンターとなるのが、モドリッチのようなパスや単独でのドリブルからボールを運べる選手の存在であり、ハイプレスを裏返すことができる。
前回のロシア大会では51本のプログレッシブパスを成功させて最多の数字を記録したモドリッチ。今大会では4つ年を取ったが、その数字は上がることになった。年々、凄みを増している証拠であり、今後もトッププレイヤーとしてチームを支える存在になるだろう。