決勝で笛を吹いたマルチニアク氏がフランスの主張に反応

 カタール・ワールドカップ(W杯)は決勝戦でフランス代表にPK戦の末に勝利したアルゼンチン代表が36年ぶり3度目の優勝を成し遂げた。アルゼンチンが歓喜に沸く一方で、フランスメディアはFWリオネル・メッシのゴールがルール違反で無効だったとの主張をしているが、決勝戦で笛を吹いた主審のシモン・マルチニアク氏がこれに反応した。

 決勝戦は3-3で延長を含めた120分間で決着がつかず、PK戦をアルゼンチンが4-2で制した。しかし、フランス紙「レキップ」は延長前半4分にアルゼンチン代表FWメッシが決めたゴールがルール違反で無効だと主張。ゴールが決まる前にアルゼンチン代表の控え選手がピッチ内に入っていたことが理由だとしている。

 サッカーの競技規則・第3条第9項では、「得点があったときに競技のフィールドに部外者がいた場合」の項目には、「得点があったときに主審が競技のフィールドに部外者がいたことが分かった場合、得点を認めてはならない」とあり、「得点したチームの競技者、交代要員、交代して退いた競技者、退場となった競技者またはチーム役員であった場合、プレーは、部外者がいた位置から直接フリーキックで再開される」と記述されている。

 フランスではこのメッシのゴールシーンの他にも、アルゼンチンの先制点につながるPKが与えられた場面など審判の判定に関する不服の声が多く上がっており、「審判団が完全に買収されていた」として再試合を要求する署名活動も行われるほどだった。

 そうしたなかで、この試合で主審を務めたポーランド人審判のマルチニアク氏がレキップ紙の主張に反応したようだ。ジャーナリストのザック・ローウィ氏がマルチニアク氏のコメントを次のように伝えている。

「フランスはこの写真について言及していない。ご覧のようにムバッペがゴールを決めた時、7人のフランス人がピッチの中にいた」

 マルチニアク氏は自身のスマートフォンに表示された画像を見せながら報道陣に対してこのように語ったようだ。どの得点シーンかは明らかではないが、フランスのゴールシーンでも同じようにベンチの選手がピッチに侵入している場面があったとし、審判団への批判に反論している。(FOOTBALL ZONE編集部)