なかなか本格ストライカーが出てこない
全体的にバランスの取れた陣容ではあったが、ブラジル代表はFIFAワールドカップ・カタール大会も制覇することが出来なかった。最後の優勝は2002年の日韓大会となっており、ネイマールの力でもサッカー王国を頂点へ導くことが出来ていない。
2002年の日韓大会といえば、やはり元祖怪物ロナウドの活躍が印象的だった。当時のロナウドは今大会のフランス代表FWキリアン・ムバッペと同じく8ゴールを挙げて得点王を獲得しており、近年のブラジルサッカー界では間違いなく最強のストライカーだ。今のセレソンにも優秀な選手は揃うが、ロナウドほど信頼できるセンターフォワードは見つかっていない。
英『Sportbible』が振り返ったのは、今からちょうど25年前の1997年だ。この年にロナウドは1回目のバロンドール受賞を果たしている。
当時のロナウドは1996-97シーズンをバルセロナ、1997-98シーズンをインテルで過ごしており、2シーズン合わせると81のゴールを奪っている。特に1990年代のセリエAはスーパースターが集まっていたこともあり、ワールドクラスのDFたちがロナウドに振り回される姿はインパクトが強かった。
SNS上では「全盛期は史上最高のストライカーだった」、「人生で見てきた中で最高の選手。怪我で史上最高になれなかったのは残念だ」など当時を懐かしむ声が挙がっており、ロナウドは2002年にも2回目となるバロンドール受賞を果たしている。
最近のブラジルはネイマールやヴィニシウス・ジュニオールなど2列目のアタッカーは次々と出てくるが、ロナウド、その後継者候補とも期待されたアドリアーノのような本格センターフォワードがなかなか出てこない。今大会ならリシャルリソンが奮闘したが、まだワールドクラスと呼ぶべきかは微妙なところだ。
ロナウドと同格のFW登場を待つのは無理があるが、やはりブラジルをFIFAワールドカップ制覇へ導くには絶対的な点取り屋が必要なのだろう。その課題は4年後も続くはずで、ワールドクラスのセンターフォワード完成が待たれる。