アルゼンチンの優勝で幕を閉じた、2022FIFAワールドカップカタール(カタールW杯)。大会を彩った数々のスーパープレーやスーパーゴールは、間違いなく後世まで語り継がれることだろう。

同様に見ているファンやサポーターを楽しませてくれたのが、選手が試合で得点を決めた後に行うゴールパフォーマンスではないだろうか。ここでは、カタールW杯の中でも特に印象深い10のゴールパフォーマンスを紹介していく。


カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
カメルーン代表 FWバンサン・アブバカル 写真:Getty Images

バンサン・アブバカル(カメルーン)vsブラジル戦

残念ながらカタールW杯にて、1990年のイタリアW杯以来となる決勝トーナメント進出は叶わなかったカメルーン。しかし第3戦のブラジル戦(12月3日)では劇的な勝利を挙げている。その貴重な勝ち星を挙げる立役者となったのが、FWバンサン・アブバカル(アル・ナスル)だ。

そのゴールパフォーマンスはユニフォームを脱ぎ捨てるシンプルなものだったが、この日すでにイエローカードを受けていたアブバカルはユニフォームを脱いだことで2枚目を受け退場。興奮のままの行動でフィールドを去る結果になった。しかしながら、審判と笑顔で握手し退場していくほほえましい光景にもつながるパフォーマンスだった。


カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
オーストラリア代表 FWミッチェル・デューク 写真:Getty Images

ミッチェル・デューク(オーストラリア)vsチュニジア戦

カタールW杯に出場した選手の中でも日本になじみ深い、オーストラリア代表FWミッチェル・デューク(ファジアーノ岡山)。2006年のドイツW杯以来となる決勝トーナメント進出を果たしたオーストラリアだったが、デュークは英雄と呼べる活躍をした選手の1人と言えるだろう。

グループリーグ2戦目のチュニジア戦(11月26日)。この試合唯一となるゴールを挙げたデュークは、指で自身の息子の頭文字を示す「J」の文字を作るパフォーマンスを披露。デューク自身はもちろん、愛する我が子にとっても忘れられないゴールシーンを演出した。


カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
スイス代表 FWブレール・エンボロ 写真:Getty Images

ブレール・エンボロ(スイス)vsカメルーン戦

スイスはカタールW杯グループリーグ初戦でカメルーンと対戦(11月24日)。この試合唯一得点を挙げたスイス代表FWブレール・エンボロ(モナコ)だったが、パフォーマンスは「何もしない」というものだった。

スイス代表に籍を置くエンボロは、もともとの出身地はカメルーン。W杯という舞台での貴重な得点でも出身国へ敬意を払う姿勢だったからこそ、印象深いゴールパフォーマンスになったと言える。


カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
エクアドル代表 写真:Getty Images

エネル・バレンシア(エクアドル)vsカタール戦

カタールW杯開幕戦となったエクアドルVSカタール戦(11月21日)。エクアドルは序盤からエース、FWエネル・バレンシア(フェネルバフチェ)を中心に攻撃を展開。待望の大会初ゴールもこのエースのPK成功によってもたらされた。

バレンシアのゴール後は、フィールドプレイヤーたちが膝をついて円になり、両手を天に突き上げるパフォーマンスを披露。初戦の高揚感もあっただろうが、チーム全体で落ち着きと一体感を見せるゴールシーンを作り出した。


カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
ガーナ代表 FWオスマン・ブカリ 写真:Getty Images

オスマン・ブカリ(ガーナ)vsポルトガル戦

ガーナはグループリーグ初戦でポルトガルと対戦(11月25日)し、最終スコア2-3とあと一歩のところまで追いつめた。後半終了間際、あと1点と迫るガーナの2点目を挙げたFWオスマン・ブカリ(レッドスター)は驚きの行動に出る。

通常ビハインドの状態で試合終盤を迎えれば、追いつくまではパフォーマンスをせず、センターサークルにすぐさまボールを戻し再開を促すものだ。ブカリはコーナーフラッグ付近まで走ると、あろうことか相手チームの英雄FWクリスティアーノ・ロナウドと同じゴールパフォーマンスを披露。敗れはしたが、途中交代のブカリは十分に目立つ活躍をする結果となった。

カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
モロッコ代表 DFアクラフ・ハキミ 写真:Getty Images

アクラフ・ハキミ(モロッコ)vsスペイン戦

決勝トーナメント1回戦、モロッコVSスペイン戦(12月7日)は、120分間の激闘の末スコアレスでPK戦となった。最後にPK成功により勝利を決定づけたモロッコ代表DFアクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)は、小刻みに体を揺らすペンギンダンスを披露している。

所属クラブで元スペイン代表のセルヒオ・ラモス(パリ・サンジェルマン)と披露していたダンスであるため、ラモスを今大会に招集しなかったスペイン代表への失望も込めていると言われている。試合中のゴールパフォーマンスとは少し違うが、明らかに意図のあるパフォーマンスなだけに印象深いものとなった。


カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
ブラジル代表 写真:Getty Images

リシャルリソン(ブラジル)vs韓国戦

決勝トーナメント1回戦、ブラジルVS韓国戦(12月6日)。ブラジルは試合序盤から一気呵成に攻め立てる展開で試合を進め、早々に得点を挙げ歓喜のダンスを披露すると、結果4-1で勝利している。

FWリシャルリソン(トッテナム)による3点目となる得点後には、ブラジル代表を率いるチッチことアデノール・レオナルド・バッチ監督もそのダンスの輪に加わるシーンがあった。監督も加わってのパフォーマンスに、一部から批判の声も上がったこのシーン。しかしチーム全体が高揚するほどに、この日のブラジルの攻撃はかなりの勢いをあげていたことも確かだ。


カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
イングランド代表 MFジャック・グリーリッシュ 写真:Getty Images

ジャック・グリーリッシュ(イングランド)vsイラン戦

イングランドにとってカタールW杯初戦となったイラン戦(11月21日)。計6ゴールを挙げ6-2で勝利したが、中でも最後の得点者であるMFジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・シティ)のゴール後のパフォーマンスが話題となった。

最終盤にゴールを決めたグリーリッシュは、両手を広げて波打つように動かしながらのダンスを披露。のちに本人が、ある脳性麻痺を患う少年から大会前に依頼されたパフォーマンスであることを明かした。


カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
フランス代表 FWキリアン・ムバッペ 写真:Getty Images

キリアン・ムバッペ(フランス)vsオーストラリア

「怪物」の名にふさわしい活躍で、フランスのW杯準優勝に貢献したFWキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)。最終的に今カタール大会の得点王に輝くムバッペの最初のゴールは、グループリーグ初戦のオーストラリア戦(11月23日)だった。先制されながらも流石は王者の貫禄で、終わってみれば4-1の大勝の結果に。

3点目を挙げたムバッペは、両手の握りこぶしから親指と小指を出し、片方を背中、片方の親指を鼻に当てる独特のパフォーマンスを披露。まだまだ今後も注目の24歳のムバッペが今後はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、次回W杯以降も最注目の選手であることは間違いないだろう。


カタールW杯で印象に残った10のゴールパフォーマンス
アルゼンチン代表 FWリオネル・メッシ 写真:Getty Images

リオネル・メッシ(アルゼンチン)vsオランダ

今カタールW杯でもアルゼンチンを牽引し、ついに優勝までたどり着いたFWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)。フランスとの決勝も激闘だったが、内容はもちろん精神的にも難しい試合となったのが準々決勝のオランダ戦(12月10日)だ。2-2でPK戦にもつれ込み、PK戦4-3で勝利している。

メッシはこの試合2点目となるPKを成功させたあと、元アルゼンチン代表MFファン・ロマン・リケルメの、両手を開き耳に当てるパフォーマンスをオランダのベンチ前で見せた。観衆を煽り、オランダに自国の強さを見せつけるようなこのパフォーマンスは、イエローカードの飛び交う試合の激しさを物語るようなワンシーンとなった。