国内のタレントが続々と欧州へ、「日本より欧州」の現状に見解
カタール・ワールドカップ(W杯)を戦った日本代表選手26名のうち、19名は海外のクラブに所属する選手たちだった。これは日本に限ったことではなく、他国でもトッププレーヤーたちは欧州を主戦場に選んでいる。
昨今の日本サッカー界では、高卒タレントがJクラブを経由せず、そのまま欧州クラブへ加入するケースも見られる。昨年で言えば尚志高校(福島)からドイツ1部シュツットガルトへ加入したDFチェイス・アンリ、今年は神村学園からドイツ1部ボルシアMGへFW福田師王がその代表格だ。
日本人選手が海外に行くメリットについて、森保一監督は「一言で言うとより厳しい環境のなかに身を置ける。そこで生活をしなければいけないですし、サッカーにおいては外国人助っ人というなかで、監督やチームメイトからの信頼を得て、自分のポジションを確立することは、簡単なことではないと思います。プレーでもインテンシティーを高く、激しく、厳しいなかで、より個々の成長を求めて選手たちはチャレンジしていると思う」と言い、「恐れずにチャレンジしていくことで成長につなげてほしい」とエールを送った。
一方で指揮官は、日本人指導者が考えなければいけないテーマがあるとも言う。海外組の選手たちから「『(日本とヨーロッパでは)同じサッカーでも別競技だ』ということを、ほぼすべての選手が言っている」(森保監督)という状況で「私も含めて、国内で指導する指導者の方々が、日本とヨーロッパの指導では何が違うのかを本当に深く考えながら国内の育成に携わっていかないといけないかなと思っています」と述べ、さらにこう続けた。
「現段階では、海外に行ったほうが個の力を伸ばせるグローバルスタンダード、W杯基準がある海外に行ったほうがいいと選択していると思います。国内を本当にヨーロッパ、世界の強豪国と同じ選択肢と捉えてもらい、そのなかで海外に行くという時代にしていかなければいけないと思っています」
世界中からトップレベルの選手が集まり、個のレベルアップへつなげられる状況がヨーロッパにはある。日本との環境の差はすぐに埋まるものではないが、「グローバルスタンダードを国内で身に着けられるように」森保監督は指導者のレベルアップに目を向けた。(FOOTBALL ZONE編集部)