2022年11月20日から、FIFAワールドカップカタール2022が始まりました。この機会にサッカーを見始めてみようと思っている方もいるのではないでしょうか。
ワールドカップをより楽しむには、サッカーのポジションやその役割を知っておきたいところです。サッカーというゲームの仕組みや、選手たちが何を考えてプレイしているのか分かりやすくなるので、まずはポジションと役割をしっかり覚えましょう。
ここでは、サッカーのポジションの役割解説や、人気ポジションにまつわるエピソード、背番号の決め方などを紹介していきます。
サッカーにおけるポジションとは?ポジションの重要性を解説
サッカーは、攻撃と守備がつねに入れ替わるスポーツです。そのなかで、選手ひとりひとりのやるべきことを明確化するために「ポジション」があります。もしポジションがなければ、全員が攻撃して守る人がいなくなったり、全員がボールのある場所に一斉に集まったりして、「攻撃しようにもボールを出せない」といった事態になりかねません。
とはいえ、攻撃するFW(フォワード)が守備をしてはいけない、守るDF(ディフェンダー)がシュートしてはいけない決まりはありません。現代のサッカーは、守るときは全員で守り、攻撃するときは全員で攻撃が主流となっていて、だいたい必要なポジションをバランスよく配置しています。
サッカーのポジションは、大まかに分けると攻撃を担うFW、攻撃と守備の両方を担うMF(ミッドフィルダー)、守備を担うDF、ゴールを守るGK(ゴールキーパー)の4つです。そこからさらに、細かく役割が分かれていきます。
サッカーは、GK、DF、MF、FWとパスをつないで攻撃を組み立て、得点するのが基本です。試合を見ていてなかなかシュートが出ない、ボールが前に行かないと感じたら、どこのポジションで攻撃が潰されているかを探してみると面白くなります。
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攻撃をするポジションFWについて解説
FWは、味方チームの一番前にいて点を取る役割があります。サッカーの試合では、よく対戦相手のゴールに近いところで待機している姿が見られます。
「トップ」は、FWを最前線に配置したときの呼び方ですが、ほぼFWと同じ意味で使われます。FWが一人なら1トップ(ワントップ)、2人なら2トップ(ツートップ)といった具合です。試合開始前に選手たちのポジションを紹介することがありますが、最前列で2人が横に並んでいたら2トップと判断できます。 FWは、一番前でただ待ってボールが来たら点を取るだけが役目ではありません。味方のパスを引き出すために前線から中盤に下がり、そこからいろいろなアプローチをかけてゴールを目指します。
FWはポジション的に、相手DFと距離が近い場所にいます。相手DFへボールが渡ったときに、前にパスを出されるのを防ぐこともFWの役割です。攻撃役でありながらも、相手DFのパスを阻止し、最初に守備をするポジションでもあります。
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サッカーの司令塔ポジションMFについて解説
MFはよく「司令塔」といわれます。攻撃と守りのつなぎ役で、DFからボールを引き出し、前線へ得点チャンスとなるパスを出す必要があります。周囲をしっかり見る能力も問われるポジションで、トップ下やボランチなど細かくポジションが分かれます。
FWをアシストするトップ下とは?
「トップ下」とは、FWの後ろにいて攻撃をアシストするポジションです。1列目と2列目の間にいることから「1.5列目」といわれることもあります。 トップ下の働きによりFWが得点できるかどうか、どれだけチャンスを生み出せるかが左右されてきます。トップ下に配置された選手の動きに注目すると、よりサッカーを面白く観戦できるでしょう。
よく耳にするボランチとは?
MFのなかでもほぼ真ん中に配置されているのがボランチです。「ボランチ」とは、ポルトガル語で「ハンドル」「舵取り」を意味します。MFのなかでは守備的な役割を担いますが、攻撃にも参加します。状況を見ながらパス回しの中心となって試合をコントロールし、チーム全体の方向性を決める重要なポジションです。
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守備のポジションDFについて解説
DFはGKの前でゴールを守る選手たちです。ほとんどの場合は、CB(センターバック)とSB(サイドバック)に分けて配置されます。
以前は、DFのなかにリベロという「ディフェンスに位置しながらも自由に攻撃をする」ポジションが置かれるのが主流でした。全選手が攻撃も守りもする現在のスタイルでは、リベロはCBに成り代わっています。
DFは守備を担うポジションでありながら、ボールを持ったときには「守るDFが攻撃の起点を作れるか?」「その起点を攻める相手FWを潰せるか?」と、本来の役割と逆のような駆け引きが見られるので、そのあたりを注目してみましょう。
ゴール前の真ん中で守るCBとは?
CBはGKのすぐ前、中央で守備をします。相手FWに背後を取られないようにDFのラインを常に調整したりGKのカバーにも入ったり、とても重要なポジションなので、技術力のある選手が起用されることが多いです。攻撃の起点を作るための準備や、ドリブルでの前進も役割にあり、攻撃が始まる場所としての活躍も求められます。
高い守備力が求められるSBとは?
CBの両横に位置し、サイドを守るDFがSBです。サイドは相手から攻め入られやすく、とくに守備のテクニックが求められます。ほかにもDFのラインを調節する、相手の攻撃を潰す、ゴールのカバーに入るなど、役割が多く難しいポジションです。攻撃、守備ともによく走る場所なので、体力はもちろん足の速さも重要視されます。
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ゴールを守る最終ポジションGKについて解説
GKはゴールを守る最後の砦です。常にゴール前にいるポジションなので、すぐに見分けがつきます。ゴールを守るほか、攻撃・守備ともにほかの選手たちへ空いているスペースなどの指示を出すのもGKの役割です。
ペナルティエリア内であれば唯一、手を使えるポジションですが「味方がパスしてきたボールは手で触れてはいけない」というルールがあります。味方がパスしてGKにボールを戻す行為を「バックパス」といい、バックパスのボール処理をミスすると失点に繋がりやすくなります。そのため、キックの精度やコントロール力も要求されます。
4-4-2や4-3-3の数字はポジションとどう関係がある?
サッカーの試合では「4-4-2(よん、よん、に)」や「4-3-3(よん、さん、さん)」といった数字もよく聞きます。これはDF-MF-FWの配置人数を表したもので、「フォーメーション」と呼ばれています。4-4-2ならDF4人、MF4人、FW2人といった具合です。
サッカーではGKを必ず1人置くルールはありますが、残り10人のフィールドプレーヤーの内訳に決まりはありません。攻撃的なスタイルならFWを多くする、守り重視ならDFを多くするなど、監督はポジションの役割と戦術を考え、フォーメーションを決定します。
サッカーで人気のポジションは?
人気のポジションは時代やその国の代表選手の影響でも変わりますが、だいたいゴールを決められるFWやMFを志望する人が多いです。とくにMFは、サッカーの王様と呼ばれるペレがMFだったことから、世界的に根強い人気があります。
日本では「キャプテン翼」の影響でMFの人気が上がったともいわれています。「キャプテン翼」は世界的にも有名な漫画・アニメ作品で、元スペイン代表のフェルナンド・トーレスは「キャプテン翼」のスペイン版コミックスを読んで、主人公の大空翼(おおぞら・つばさ)にあこがれたと語ったエピソードもあります。
背が低くてもできる?サッカーのポジションに向いている体格は?
スポーツは背が高いほうが有利になるとよく言われていますが、背が低くてもサッカー選手になれたケースもあります。たとえば、圧倒的な技術力で名選手と呼ばれたリオネル・メッシは169cm、アンドレス・イニエスタは171cmと、サッカー選手の中ではあまり背が高くありません。
とはいえ、守備の要であるGKやCBは、やはり高身長で体格が良い選手がほとんどです。日本人は世界と比べて小柄な選手が多いですが、DFの吉田麻也選手は189cmあります。
サッカーのポジションと性格に関係はある?
ポジションと性格の関係は、しばしば話題に上がります。FWは我が強い、DFは真面目、GKは気配りができるなど、ある程度ポジションと性格には関連性が見られるという人もいます。たとえば、世界的に有名なFW選手のクリスティアーノ・ロナウドを育てたコーチは「彼は自尊心が強い」と語っているそうです。
もちろん性格だけでポジションは決まりませんが、サッカー観戦に慣れてきたら「自分の性格だったらどのポジションが向いているかな?」と当てはめてみるのもおもしろいのではないでしょうか。
ポジションごとに背番号は固定?サッカーの背番号の決め方
ワールドカップでは、背番号は1をGKとし、2~23まで欠番なく付けるよう規定されています。
Jリーグでは、0番は認められておらず、1番は必ずGKとし、2~11番はフィールドプレーヤーと定められています。12番以降は、ポジションは無関係となり、50番までは欠番があってもOK、51からは連番で欠番は認めないという決まりです。また、サッカーが11人でプレイするスポーツであることから、Jリーグでは「サポーターを12人目の選手」として12は欠番にしているチームもあります。
背番号はGKに近いポジションから順につけられることが多く、9と11がトップのFW、8や10が司令塔であるMFというケースが定番です。
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サッカーのポジションまとめ
サッカーのポジションは、GK、DF、MF、FWがあり、そのなかでトップ下やボランチ、CBやSBなど細かな役割が任されています。
サッカーはつねに攻守が入れ替わり、選手たちもいろいろな場所を走っているだけに、ポジションを把握しにくいかもしれません。まずは気になる選手がいたら、その選手のポジションを覚えて動きを追ってみてください。