韓国ブームはスタンダードに

——韓国コンテンツの人気が浸透した背景をどう捉えていますか?

岩田萌氏(以下、岩田):韓国ドラマの放送をきっかけに、K-POPアイドルの活躍やオーディション番組が流行するなど、韓国コンテンツはすっかり日本でも浸透し、F1層のあいだで話題の中心となっています。

佐藤佑太氏(以下、佐藤):全体でみると、韓国グルメや美容、ファッションなど衣食住に関わる側面では浸透してきているものの、エンタメにおいては依然コンテンツの内容に依存しているということは変わっていないという側面もあります。しかし『愛の不時着』『梨泰院クラス』『イカゲーム』といったヒット作品のおかげで視聴ハードルが下がり、一部のコアなユーザーだけが視聴するコンテンツではなくなり、流行しているエンタメコンテンツが好きなユーザーと韓国コンテンツとの距離が近くなったのではないかと感じています。

岩田氏:特にF1層は、K-POPアイドルを応援する “推し文化”の台頭により、熱量を持ってコンテンツを見ています。また、アイドルのメイクやファッション、オーディション番組のムーブメント以降、憧れだったアイドルがより身近になりつつあります。

佐藤氏:コロナ禍を経て、海外からも来日できるようになりオフラインイベントが一気に増加したことも大きいです。というのも、オフラインイベントは推しとファンがリアルに交流でき、魅力をダイレクトに感じられるため、推し活がさらに過熱していきました。こうした背景もあり、昨今の韓国コンテンツの人気は‟推し文化”がけん引していると感じています。

‟推し文化”との掛け合わせで成長拡大し、一般化した韓国コンテンツ

——コンテンツビジネスの現場で、実際に“推し文化”を感じられた事例を教えてください。

岩田氏:昨年「ABEMA」では、日中韓9人組ガールズグループ・Kep1erを輩出したグローバルオーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』のボーイズ版となる『BOYS PLANET』を日本語字幕付きで独占配信しました。視聴者参加型のオーディション番組で、投票システムにより推しのアイドルを応援しながら活躍の場を作ることができるというのは、オーディション番組ならではの面白さです。

今年7月に最終回を迎えた『I-LAND』のシーズン2にあたる、グローバルガールズグループオーディション番組『I-LAND2』は、予想を上回る再生数とXでのトレンド入りを果たし、多くの反響を得たことで、韓国の権利元本国からも高く評価していただきました。

オーディション番組などのF1層の好むコンテンツを軸に、熱量の高い推し活層を囲い込むことができたことで、韓国コンテンツ全体の人気を拡大し、定着させることができたと思っています。トレンドに敏感なF1層からブームに火が付き、いまではF2層以上のユーザーも多く抱えています。

こうしたF1層からの人気を継続しつつ、さらに拡大させるためにライト層の獲得に向けた施策も検討しています。

 リアルF1層が生み出す韓国コンテンツ市場の次フェーズ

——ターゲット層を意識した「ABEMA」での取り組みを教えてください。

岩田氏:若い世代からの人気が高い韓国コンテンツだからこそ、「ABEMA」では“リアルF1層”が中心となって編成戦略やSNSマーケティングを行っています。そうしたリアル世代の意見を取り入れた施策を素早く実行できるという点も他社にはない強みだと思っています。

具体的に行った施策としては、元々韓流・華流チャンネルのメインはF2層が多かったのですが、300作品以上を全話無料配信することで今まで「ABEMA」で韓流作品を視聴していなかったF1層の取り込みに成功しました。韓国コンテンツを広めるという意味でも、無料で全話観られるということのは「ABEMA」の強みです。また、若年層にはあまり馴染みがなく伝わっていなかった「韓流」というワードをあえて使用せず、「韓国ラブコメディ」「韓国ラブロマンス」といった作品のジャンルごとにチャンネルを増設するなど、ユーザー目線の施策も実施しています。その結果、新しい視聴層の獲得だけではなく、今までは自分で選択してこなかったジャンルの作品を視聴するユーザーも増え、一人当たりの番組視聴数が増加しました。

コンテンツ拡充の側面では、2024年6月にドラマ『ピラミッドゲーム』を「ABEMA」で国内初・独占配信しました。大胆かつ独創的な世界観で、学園心理スリラーの新たな世界を開いた作品でF1層にアプローチし、好評を得ています。

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さらに、SNSマーケティングとしては、Xの沼ユーザーによる討論文化を狙った投稿や、F1層の接触頻度が高いTikTok向けの動画投稿なども行っています。コア層・ライト層のそれぞれに応じた施策を打つことで着実にファンを増やすことができています。

佐藤氏:SNSだけでなく、実は記事媒体からの流入も非常に増えています。「ABEMA」だからこその速報力と運用力、アライアンス力によって高い効果を得ることができており、ベースアップに繋がっていると思っています。

また、現在「ABEMA」のWAUは2,800万を超えており、アニメや恋愛リアリティーショー、スポーツ、バラエティ番組などの他ジャンル視聴者にリーチすることで、ライト層を取り込めているのも大きいです。

——今後の日本における韓国コンテンツの拡大に欠かせない要素となるのは?

岩田氏:「ABEMA」では、国内初・独占配信コンテンツのさらなる拡充と無料配信の強化を行っています。そして、これまで観ていなかった層を囲い込むことが不可欠で、それに応じたさまざまな施策を検討しています。

そのなかのひとつとして、韓国の人気ボーイズグループ「RIIZE(ライズ)」によるバラエティ番組『BOSS RIIZE』が2024年8月28日(水)夜9時より放送スタートします。

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(C) 2024 STUDIO X+U, SM ENTERTAINMENT CO.,LTD. All Rights Reserved

それだけでなく、今年中に新たなオーディション番組も予定しています。そうした、日本国内での韓国コンテンツのさらなる拡大に繋がる話題を「ABEMA」から仕掛けていきたいと思っています。

佐藤佑太(写真右)
株式会社AbemaTV

ABEMA 総合編成本部 韓国ジャンル責任者
2018年1月サイバーエージェントに入社。「ABEMA」の韓国ドラマ・K-POPチャンネルの責任者として、主に戦略策定及び渉外を担当。

岩田萌(写真左)
株式会社AbemaTV

ABEMA 総合編成本部 韓流・KPOP・恋愛番組プランナー
2022年4月サイバーエージェントに入社。現在は、「ABEMA」の韓流・KPOPジャンルの運用責任者として、各番組戦略設計やグロース、マーケティングを担当。

「ABEMA」はテレビのイノベーションを目指し"新しい未来のテレビ"として展開する動画配信事業。

ニュースや恋愛番組、アニメ、スポーツなど多彩なジャンルの約25チャンネルを24時間365日放送。CM配信から企画まで、プロモーションの目的に応じて多様な広告メニューを展開しています。

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