複数の相手と予定を共有できるカレンダー App「TimeTree」(読み: タイムツリー)。家族やカップルで共有するAppとして高い認知度を誇る本サービスが、ハイティーンたちにフォーカスした新しい未来のテレビ「ABEMA」のオリジナル情報バラエティ番組『ハイティーン・バイブル』とタイアップを実施。狙いは若者層へのリーチと新たなイメージの吹込みだ。ここでは株式会社TimeTreeマーケティング・塚田裕亮氏と、中学の頃からTimeTreeのヘビーユーザーでもある株式会社AbemaTV ビジネスディペロップメント本部営業局プランナー髙橋瑞姫氏に今回の成功例と今後の課題について語ってもらった。
期待したのは、家族&カップル層以外へのリーチと理解力

――TimeTreeのサービスはDL数の拡大が最重要指標の中で、従来どのような施策を実施してきて、またどのような課題があったかを教えてください。
塚田: 2019年に中尾明慶さんと仲里依紗さん夫妻に出演いただいたTVCM以降、ユーザー増加施策の観点でいうと、特に大きい施策はしていませんでした。家族やカップルで使うというサービスの特性上ほぼ口コミで増加していったので、ASO(アプリストア最適化)や足元で整えるべき部分を最優先で対応してきましたが、去年から本格的にユーザーを伸ばしていくことになり、登録ユーザー数1億人を目指して様々な施策を行っていくことになりました。2019年に実施したTVCMは反響が大きく、インストール数もかなり伸びたのですが、TVCMで訴求した家族&カップル以外の利用でもプライベートやサークル、仕事などでも使えるといった用途の認知度が低かったので、その部分を伸ばしていきたいと思い、新たなイメージを吹き込むためにも若者、Z世代へのアプローチが重要だと思い今回のタイアップにいたりました。

高橋:ティーンにアプローチしていきたいという要望をいただいたので、「ABEMA」としてもそこは大きな強みだと思い、その層に強い番組をリストアップすることから始めました。伝えたいポイントは機能性と利便性。ティーンに訴求でき、なおかつその2つをしっかり企画として盛り込める番組が良いと思い、当時ティーン向けに放送していた『ハイティーン・バイブル』を提案しました。TimeTreeのインサイトをしっかり深掘れる企画、またリアルな声も届けたいと思い、街頭調査なども組み込めるようにこだわりました。

――番組内ではティーンたちが友達と約束する際にTimeTreeを気軽に使っていて、このくらいライトな使い方ができるんだという印象を受けた人は多い気がします。他にこだわった点や、クライアントとして期待した点を教えてください。
高橋:今回、双子インフルエンサー・はんなみいなさんとmoca(元lol)さんに出演いただきました。特にはんなみいなさんは双子ですが、友達らしさもある2人なので、家族だけでなく友達同士での使用イメージが伝えられると思いました。
塚田:期待した点でいうと、繰り返しになりますが、家族&カップル層以外へのリーチと理解を深めていくことです。2019年の時は家族&カップル層に関しては40%ぐらい認知度が取れていたので、そこから新しい層に対して広げていくには若い層への認知と理解がとても大事です。実際、企画では具体的に使ってみるところを見せてくれたので、そのような利用イメージが若者への認知、理解へとつながると思いました。

――当初の狙いや期待に対して実際出来上がった映像を見てどういう印象をお持ちになりましたか。
塚田:撮影には立ち会わせていただいたのですが、実際に出来上がったものを見るととても満足いくものに仕上げていただいていました。TimeTreeを実際に使いながらの演出にしてくださったこともあり利用イメージがつきやすく、さらにTimeTreeを使うことで日程調整や“誘う”ということへのわずらわしさも、楽しいイベントとして見せることができていると思いました。

ブランド認知度が30ポイント上昇、UGCも含めた施策も強みに
――実際、放送されての具体的な反応・成果を教えてください。
塚田:番組タイアップと併せてブランドリフト調査も行いましたが、男女15~24歳におけるブランド認知度が30ポイント上昇し、利用意向も25ポイント上昇したという結果が出ました。今回の狙いであったティーンやZ世代においてサービス自体の新たなイメージの浸透も含めた認知を改めて獲得することができたと思います。今回はあくまで認知領域の施策だったので、DL数は伸び悩んだところはありましたが、特に、認知施策で得られる成果に関する解像度が上がったという意味では収穫でした。また、UGCの施策も並行して行ったのですが、インフルエンサーからのお題投稿に対して一般ユーザーから306投稿も反応がありSNSでも広く訴求することができたと思っています。「ABEMA」の施策によりUGCとの相性の良さを確かめることができたことで、今年の3月にTimeTreeがサービスローンチ10周年を迎えたタイミングでもUGCのキャンペーンを行い、成功につなげることができました。

高橋:「 ABEMA」としても、認知部分が他のティーン向け施策と比較しても、かなりリフトしており、社内でも話題になりました。また別の数字の観点でも申し上げますともともと想定していた番組視聴数・CM配信・SNS投稿などを合わせた目標数値をはるかに上回るリーチ獲得ができました。視聴数以外でもUGCも含めた施策がとても強みとして表れた結果だと思います。
――その成功例も含めて、改めて次の課題は何だと思いますか。
塚田:単純なサービス認知はある程度取れたと思っているので、次はさらなる理解にシフトしていきたいです。TimeTreeはどうしても家族&カップルのイメージがまだ強く、さらに本当は複数のカレンダーを切り替えて利用できるのに、1人1つしかカレンダーを持てないと思っている方が多いのが現状です。次はそういう機能的な部分を強く出していきたいですね。またTimeTreeは誰かとの「共有・コミュニケーション」を軸にサービスを展開していますが、誰かを「誘う」ことのハードルはまだ高いと思っているので、「誘う」行為を自分もやってみようと思えるような見せ方、伝え方をしていくことが重要だと思っています。
若者が使うには?流行り感を取り入れた施策に期待

――今回の施策を通して、継続していきたいところ、また変化させていきたいと感じたところがあれば教えてください。
塚田:今回の「ABEMA」さんとの施策で得た認知を定着させ、より深い機能理解まで促進していくためには、継続的なコミュニケーションが必要だと思っています。
そのため、今回のような番組へのタイアップも単発で終わらせずに中長期的に取り組んでいきたいですね。また、流行に敏感な若者層にアプローチするには「みんな使っているよね、だから使おう!」みたいな空気感を作る必要があると思っています。
また、さらに先の話として、TimeTreeは単なるカレンダーアプリではなく、生活者から事業者まで世の中のあらゆるものを時間管理で繋げるプラットフォームになることを目指しています。そうした中長期的なゴールに到達するためにも「空気感作り」は重要なので、腰を据えて取り組んでいきたいです。

高橋:認知領域や興味関心、いわゆるミドルファネルのリフトに関しては「ABEMA」がとても得意としているところです。
そこをより強化していくためにも、熱狂的なファンが多い"沼ジャンル"において、ファンダムマーケティングを意識した施策を、今後取り入れていきたいですね。また、今、塚田さんからとてもいいヒントをいただきまして(笑)…エンゲージメント獲得と流行っている感の醸成に向けて、お手伝いができればと思っております。
『ハイティーン・バイブル』(ABEMA)
将来の選択肢を前に揺らぐZ世代やハイティーン(17歳~19歳)に寄り添い、今を生きるティ―ンの恋愛・お金・友達関係などにまつわるリアルな悩みを徹底調査、ハイティーンの“今”を切り取り語り合っていくABEMAオリジナルの情報バラエティ番組(2024年放送)。
◆インタビュー出演者
株式会社TimeTree マーケティングチーム 塚田裕亮
株式会社AbemaTV ビジネスディペロップメント本部 営業局 プランナー 髙橋瑞姫
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