打ち明けにくい生理の悩み、どうやって“その壁”を取っ払えるのか

――「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」はどのような目的で発足したプロジェクトか教えてください。
鈴木:生理痛を経験する高校生の多くが、学校生活に支障があるにも関わらず生理痛を我慢しているという現状があります。その実態を踏まえて、性別を問わず若い世代の方たちが、なるべく早い段階で生理に関する正しい知識を触れられるような機会を作っていけたらと思い発足しました。
――ティーンのみなさんは、これまで実際に生理についての悩みを打ち明けにくい環境や経験があったりしましたか。
夏川:生理痛がひどいときは本当は授業を休みたいけど、なかなか休めなくて我慢して体育の授業を受けたこともありました。
向井:あと、生理痛という理由だけでは病院に行きづらいとかもあるよね。
平松:あるある。私は楽しみにしていた旅行やプールの予定などが被っちゃったりするとそのイベント自体を楽しめないというか、気分が上がらないことがあります。でも実際に他の人に相談するとかはなかったです。
鈴木:そういった声がとても多くて、どういう風に生理や生理痛への理解を深めていくかが課題でした。情報を発信する上で、こちらからの一方的な情報提供ですと、なかなか受け取られづらいところがあると感じたので、双方向のコミュニケーションになるようなアプローチをしていくことが大事だと思いました。生理や生理痛について考えるきっかけを作るために、プロジェクトメンバーのみなさんと一緒にティーン世代にどうやってアプローチをしていけばいいか、どんなコンテンツを発信するとよいかなどを考えていきました。
――生理痛はなかなか周囲に相談しづらい環境があり、特にティーン世代だとよりハードルが高い気がします。どうやってその層にアプローチしていきましたか?
鈴木:ストレートに伝えるだけだとティーン世代もなかなか受け止めづらいと思います。『今日好き』コラボとは別企画ではありますが、生理や生理痛に関する"あるある"エピソードを紹介する展示イベントを開催したりもしました。"あるある"をきっかけに共感が生まれることで、生理痛について話題にすることのハードルを下げていく工夫をしています。
「悩みを抱えているのは1人じゃない」『今日好き』メンバーを通じて伝えたかったこと

――今回『今日好き』の人気メンバーのみなさんと一緒に施策を行ったことで、どういった狙いがありましたか。
鈴木:従来のコミュニケーションの方法だと、なかなかティーン世代の皆さんに情報が届きづらいなという課題を感じていました。ティーン世代を含めて若い方々にすごく人気のある『今日好き』の皆さんから発信いただくことで、なかなか普段は話題になりにくい生理痛のテーマにも耳を傾けやすかったり、より自分ごと化していただきやすかったりするのではないかと思い、今回タイアップさせていただきました。
そのなかで特に気を付けたのは、ティーンの皆さんが抱えているリアルな悩みに寄り添いながら、その声をプロジェクトメンバーを通じて発信していくことです。学校や友人の間では、生理について話す機会がなかなかなく、自分の中で抱えてしまいがちな悩みだと思うのですが、そういうリアルな声をメンバーの皆さんが発信することで“悩みを抱えているのは1人じゃないよ”ということに気づいてほしい。そういうところを意識しながらアウトプットしていきました。

夏川:実際私も(生理痛が)すごく重いんです。最近はまだマシになってきましたが、ひどいときは吐いたりもしていました。高校生の時からそれが悩みだったんですけど、友達のお母さんに病院に行くことを勧められて受診してからすごく楽になりました。今もまだ痛みはありますが、以前みたいに吐いたりはしなくなったので本当に相談してよかったです。自分の生理に対して理解を深めることができたというか、症状も日々変わるので、今はその変化に対してのコントロールの仕方がわかってきたように感じます。
向井:私は軽い方なんですが、重い子も周囲にたくさんいて、こんなにつらいんだと気づかされました。生理の話題って触れにくいじゃないですか。学校には男子がいるし、生理について話すとしても「わー(生理が)きた」とかそれくらいで。ちゃんとした話を学校でも友達同士でしてこなかったので、向き合ってみてわかることがたくさんありました。

平松:そうだよね。私も結構軽い方で、今までそんなに重い子の気持ちとかを理解していなかったので、今回のプロジェクトでいろいろ知ることができました。
夏川:それこそこのプロジェクトで先生からお腹を温めることを教えていただきました。今までしてこなかったんですが、するようになってからすごく楽になりました!

向井:うんうん。あたたかいものを飲むとか、逆にちょっと体を動かしてみるとか。知っていくといっぱい対策方法はあるんだなって。生理痛に悩む人たちが自分に合った方法が見つかるといいですよね。
鈴木:そういう話を聞くと、このプロジェクトの意味があるなと思います。自分に合った対処の仕方がわかると、学校生活も楽になりますよね。
トークイベントやポスター作り、LINEスタンプまで リアルな施策での手ごたえ

――取り組みが広く伝わるよう、番組タイアップにとどまらず、SNS発信やイベント施策などあらゆるタッチポイント作りもされていたようですが、そのあたりの評価はいかがでしょうか?
鈴木:色々な媒体を通じて発信させていただいたことで、多くの方に生理痛について学ぶ機会や、気づくきっかけを作ることができたのではないかと感じています。トークショーを実施したり、実際にポスターを作って学校に貼っていただいたり、また、イラストレーターのヨシダナツミ氏と共に制作したLINEスタンプなどもつくり、多面的なアプローチをしていきました。
――同年代の視聴者からの反響はいかがでしたか?
夏川:このプロジェクトを見たおかげで病院に行けたよという子からDMがきました。めっちゃ嬉しかったです。
平松:私は自分が通っている学校の友達から反応がたくさんありました。いつもはそんなに深く生理について話したりしないんですが、出演したイベントがきっかけで会話が発展して、「重いんよね」とか「私は結構軽い」とか話すきっかけができました。
向井:私は今回作ったLINEスタンプで友達とやりとりをしています。もう生理は重く捉えるような話ではなくて、今ではスタンプ使って楽しく話したりとか、「あれやりなよ」「この方法、良かったよ」とか生理痛の対策を話し合ったりしています。イベントなどの活動をすることで、触れにくいと思っていた話題が触れやすくなった気がします。

この輪をもっと広げるために―、ネクストアクションは“ティーンを取り巻く環境”
――今回の活動から得られた知見などを通して、今後はどういうところにチャレンジしていきたいですか。
鈴木:ティーン世代のみなさんももちろんなのですが、その世代を取り巻く学校の先生や親御さんの中には、生理や生理痛について正しい知識を身につける機会があまりなかった方もいらっしゃるように感じました。保健体育の授業や家庭内で学ぶ・教える機会もあると思いますが、持っている知識も人それぞれなので、ティーン世代に向けた発信に留まらず、この輪をもっと広げていきたいと思っています。
平松:学校で生理に対する講習会のようなイベントを開くのはとてもいいですよね。まだ「生理は病気じゃないんだから」という捉え方をする先生もいるとは思うので、大人にも理解してもらえるようなイベントもやっていきたいなと思います。
向井:私が通っていた学校では、生理の授業があったんですが、女子だけ体育館に集められて男子は違う授業をしていました。私たちがこういう活動をすることで女子の間では触れやすい話題になったとは思いますが、男子にも知ってほしい。男子には触れづらい内容だとは思いますが、こういう悩んでいる女子がいるということを理解してくれたらうれしいなと思います。
鈴木:先生、親御さん、生徒のそれぞれが正しい知識を持つことで、相談しやすい環境を後押ししていきたいと思っています。
――ありがとうございました。

第一三共ヘルスケア株式会社 ロキソニン解熱鎮痛薬シリーズ ブランドマネジャー 鈴木ひかる
2021年入社。開発職の経験を経て、2025年から現職。痛みと向き合うすべての方が、少しでも前向きに過ごせるよう、医薬品の正しい理解と使い方の啓発活動に取り組んでいる。
「みんなの生理痛プロジェクト」for TEEN プロジェクトメンバー
平松想乃さん
2006年11月13日生まれ、岡山県出身 『今日、好きになりました。卒業編2025 in シンガポール』『今日、好きになりました。パタヤ編』『今日、好きになりました。夏休み編2024』参加
夏川メガンさん
2006年8月22日生まれ、大阪府出身 『今日、好きになりました。卒業編2025 in シンガポール』『今日、好きになりました。チュンムン編』参加
向井怜衣さん
2007年6月25日生まれ、広島県出身 『今日、好きになりました。夏休み編2023』参加
『今日、好きになりました。』
“恋の修学旅行”をテーマに現役高校生たちを追った恋愛リアリティーショー。数日間の限られた時間の旅の中で巻き起こる、現役高校生たちのリアルで等身大な本気の“恋”と“青春”を追いかける。2017年にABEMAで放送開始して以降、現在に至るまで続く長寿番組で恋愛リアリティージャンルを支える看板番組。2025年1月より放送の『今日、好きになりました。卒業編2025 in ソウル』は歴代最高視聴を更新した。
みんなの生理痛プロジェクト 特設サイト
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/special/project/
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