投手として9勝2敗、防御率3.18、156奪三振。打者としては打率.257、46本塁打、100打点、103得点、26盗塁の成績をマークし、メジャー史上6人目となる「45本塁打、25盗塁」を記録した、エンゼルスの大谷翔平選手。メジャー4年目はシーズンを通して“二刀流”でフル出場し、投打で活躍した。
打撃においてはシーズン終盤まで本塁打王争いを繰り広げたが、ポストシーズン進出をかけるチームから徹底的に勝負を避けられ、トップのゲレロJr.(ブルージェイズ)、ペレス(ロイヤルズ)には惜しくも2本届かなかった。とはいえ、そこまで警戒されるのもメジャー屈指の強打者となった証だ。今季の大谷の打撃について、元メジャーリーガーの西岡剛氏は「タイミングの良さ」を指摘する。
「去年はノーステップで打ったりして、タイミングの取り方があまりよくなかった。今年4年目にしてタイミングの取り方を、たぶん感覚がわかってきたのが一番だと思いますね。(メジャーは)やはり日本のピッチャーよりテイクバックが少ないので、日本のバッターは最初詰まらされるんですよね。だから僕もノーステップにしたんですけど。ノーステップっていうのは止まってるところから動き出すんで、難しいんです。でも、今年またそれをやめて自分のスタイルに戻したところが要因だと思いますね」
大谷の本塁打は飛距離、打球速度ともにメジャートップレベルだが、西岡氏が“今季のベスト”として取り上げるのは、後半戦の初アーチとなった「34号」。オールスター明けのマリナーズ3連戦、2試合で10打数1安打6三振と苦しむ中で、3戦目の第5打席、シーウォルドが投じた低めのスライダーをすくい上げ、右中間スタンドへ2ランを叩き込んだ。大谷は試合の最中、タブレットで自身のバッティングフォームを確認しており、修正力の高さを見せた一発だった。
「変化球をバチンと拾ったあのホームラン(34号)がベストですね。体制が崩された時って体が一瞬前にいくんです。体が流れたと同時に左肩がちょっとでも回転してしまうと、もうホームランまで伝わるパワーがないんですよ。この壁が開かずに残ったままバットが出ているので、今シーズンの大谷選手の好調の秘訣が見えたバッティングですね」
西岡氏といえば、千葉ロッテ在籍時の2005年と2006年に盗塁王を獲得した“スピードスター”だ。走塁の良し悪しについて聞くと、西岡氏は「センス」と答えるが、それはどれだけ多くのシチュエーションを考えられるかだと解説してくれた。
「例えば、ノーアウトで二塁にいたら『外野に飛んだらタッチアップ』『セカンドゴロにいったら三塁走ろう』とか、みんなたぶん2つ、3つしか考えないんです。でも、僕は『ショートが弾いたらどうしよう』とか『ショートが投げた瞬間に行けるかな』とか、シチュエーションをもう10個、20個と頭に入れておくんですよ。そうしたら、そのプレーが生まれた時にとっさに判断できる。そのシチュエーションを考える能力が大谷選手は高いってことですよね」
メジャーリーグの選手間投票で今シーズンの最優秀選手に選ばれるなど、これまでに7つのタイトルを獲得している大谷。19日(現地時間18日)には、全米野球記者協会が選ぶア・リーグの最優秀選手の発表が予定されており、イチロー選手以来、20年ぶりの日本人選手の受賞も期待されている。
■大谷翔平 人気記事
・ドジャース(大谷翔平所属)試合日程・時間・放送予定 【2024シーズン】
・大谷翔平 成績・打席結果【2024シーズン】
・大谷翔平 ホームラン成績【2024シーズン】
・ドジャース大谷翔平 年俸推移・予想
・大谷翔平の速報・今日のニュースを見る
■Pick Up
・嫌われない広告とは?「ABEMA」のスポーツ×広告事例から紐解く
・スポーツコンテンツに適したの“ライブ特化型広告”って何?
・槙野智章氏と考える「スポーツ×マーケティング」の可能性