藤井聡太王位、2日制タイトル戦で1年ぶり黒星 豊島将之九段に持ち時間1時間半差で完敗/将棋・王位戦七番勝負第1局
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 将棋のお〜いお茶杯王位戦七番勝負の第1局が6月29日に愛知県犬山市の「ホテルインディゴ犬山有楽苑」で行われ、藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、19)が豊島将之九段(32)に121手で敗れた。豊島九段の深い研究が実った一局で、藤井王位は反撃のチャンスをつかむことができなかった。この結果で藤井王位は、2日制のタイトル戦では昨年6月の王位戦七番勝負第1局対豊島竜王(当時)戦以来の黒星を喫した。

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 タイトル戦でも圧倒的な強さを見せつけてきた藤井王位が、豊島九段の深い研究将棋に苦戦を強いられた。振り駒の結果、先手番の豊島九段は角換わりを志向。序盤から早いペースで指し進め、初日から激しい攻撃姿勢を示した。2日目の対局再開後も猛攻は止まらない。藤井王位は反撃の足掛かりを得ることが出来ず、受け一方で持ち時間を大量に消費せざるを得なかった。終局時点での持ち時間の差は約1時間半。表情を変えることなく圧倒した豊島九段に対し、藤井王位は終盤戦で苦悶の表情を見せることも多く、ABEMAの中継に出演した渡辺明名人(棋王、38)も「藤井さんがぼやいているのは珍しい。藤井さんといえども比較が難しくて、結果的に難しい方を選んでしまって差が開いてしまった」とコメントした。

 終局後、藤井王位は「攻めの手段もいろいろある中で、本譜のような形になる可能性もあるのかなとは思っていましたが、難しいと思って指していました。攻め込まれてかなり怖い展開が続いていて、(豊島九段の竜引きの一手は)形勢難しいと思っていたが、そのあたりの判断で形勢を損ねてしまったので反省点だと思う」と話し、肩を落とした。

 藤井王位が2日制のタイトル戦で黒星を喫するのは、2021年6月29・30日に行われた前期の王位戦七番勝負第1局対豊島竜王戦以来。しかし、王位戦はその後に4連勝で連覇を達成したとあり、第2局以降どんな巻き返しを見せるかにも大きな期待が寄せられている。現在、藤井王位は2つのタイトル戦を平行して戦っており、次戦は7月4日、永瀬拓矢王座(29)との棋聖戦五番勝負第3局が予定されている。7月13、14日に北海道札幌市の「ぬくもりの宿ふる川」で指される王位戦七番勝負の第2局に向けて、「しばらく先だが先後も決まっているので、しっかり準備して臨めたらと思っています」と前を向いた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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