将棋の棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント4回戦が9月14日に行われ、羽生善治九段(51)が広瀬章人八段(35)に勝利した。この結果で、羽生九段は準決勝に進出。次戦では決勝進出をかけて、伊藤匠五段(19)と対戦する。
羽生九段が得意の横歩取りで快勝を飾った。広瀬八段の先手番で始まった本局は、2020年9月の王将戦挑戦者決定リーグで羽生九段が藤井聡太王位・棋聖(肩書は当時)に勝利した将棋の類型をたどった。広瀬八段が攻守組み立ての中心となる角を進行させると、羽生九段は昼食休憩を含め1時間22分の考慮で飛車を打ち込んだ。先手は角2枚、後手は飛車を武器に徐々に激しい展開となり、抜け出したのは羽生九段だった。
今期の羽生九段は、本局の勝利を含んで11勝4敗。「2022年に入ってからは連敗していたので、その中でいろいろ試行錯誤していた中のひとつが『久しぶりに横歩取りもやってみようかな』というところでした」と語っていた通り、横歩取りの戦型で勝星を集めている。
終盤では羽生九段が飛車を切り、先手の角頭に香車を突き刺しリードを拡大。広瀬八段に粘る間も与えず、快勝を飾った。
棋王戦挑戦者決定トーナメントは、羽生九段と伊藤五段がベスト4に進出。残る2枠は、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)対豊島将之九段(32)、佐藤天彦九段(34)対糸谷哲郎八段(33)と、全員がタイトル経験者で現A級棋士によって争われる。永世棋王資格保持者である羽生九段は2014年度以来の棋王挑戦、さらには2004年度以来の棋王獲得で通算タイトル獲得数100期へ一歩前進。今後の戦いは、さらに注目度が高まっていきそうだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)