渡辺明名人が追いつくか 先勝した藤井聡太竜王がリード広げるか 注目の第2局開始/将棋・名人戦七番勝負
【中継】渡辺名人VS藤井竜王 注目の第2局

 将棋の第81期名人戦七番勝負は4月27日、静岡県静岡市の「浮月楼」で第2局の対局を開始した。今期は、4連覇を狙う渡辺明名人(39)に、最年少名人獲得を目指す藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が初挑戦するビッグマッチ。開幕局で藤井竜王が先勝を飾っており、本局で名人が追いつくか、挑戦者がリードを広げるか、大注目が集まっている。

【中継】渡辺名人VS藤井竜王 注目の第2局

 渡辺名人は、2000年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組以上:17期)で、第80期名人(A級以上:12期)。タイトル通算31期は歴代4位、現役2位の快記録。棋戦優勝も11回を数える。序盤研究の深さから中終盤の粘り強さ、細い攻めをつなげる卓越した技術など、どこを取ってもトップクラスでバランスの取れた超一流棋士だ。名人戦は、2020年に豊島将之九段を4勝2敗で破りタイトルを奪取。以来、2年連続で斎藤慎太郎八段の挑戦を受け、いずれも4勝1敗で退けて3連覇を達成した。今期の七番勝負は黒星発進。前日のインタビューでは、「ここからは先後が決まっている。より集中力を高めて2局目以降の番勝負を戦っていきたい。まずは第2局に全力を尽くしたい」とコメントしていた。

 挑戦者の藤井竜王は、2016年10月に四段昇段。第35期竜王(1組以上:2期)、順位戦A級(A級:1期)。2022年度は保持する5つのタイトル防衛に加えて、初挑戦となった棋王戦五番勝負を制し最年少六冠王に。4つの一般棋戦すべてでも優勝を飾るなど、勝率、勝数でランキング1位に輝き、3年連続3度目の最優秀賞棋士賞を獲得した。初参戦となった順位戦A級は、7勝2敗の好成績でで駆け抜け、広瀬章人八段とのプレーオフを制し初の挑戦権を獲得。「“名人”という言葉には子供の頃から憧れがある」と語った若武者が、谷川浩司十七世名人が1983年に21歳2カ月で達成した最年少名人の記録更新と、羽生善治九段以来となる七冠獲得の大偉業に挑む。先勝して迎えた本局の前日には、「1局1局が重い対局になる。集中して精一杯戦いたい」と語っていた。

 4月5・6日に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われた第1局は、渡辺名人の先手で雁木模様の出だしに。力戦から長く難解な中盤戦に突入し、長考合戦が繰り広げられた。渡辺名人は受けよりも攻め、積極性を優先させて敵深くに切り込んで行ったが、藤井竜王はあくまで冷静。飛車を軸とした攻めの構成で先手玉を追い込み、じわじわとリードを拡大させた。最終盤では、角を攻守に活用して渡辺名人の猛攻を受け切り、藤井竜王が風格漂う緩急自在の指し回しで堂々初白星を勝ち取った。

 持ち時間は各9時間の2日制で、第2局の先手は藤井竜王。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【中継】第81期 名人戦七番勝負 第二局 1日目 渡辺明名人 対 藤井聡太竜王
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