<大相撲九月場所>◇二日目◇11日◇東京・両国国技館
立ち合いの変化に対応できず前にバタリ…という光景は目にすることもあるが、前に倒れた力士と同時に、変化した力士もまさかの転倒。物言い協議の末に“同体”で取り直しとなる“行司泣かせ”の珍しい取組があった。物言い協議の際には、親方や行司が思わず苦笑いを浮かべる様子も見られ、ファンからも「行司わろてる」「変な相撲だった」などの声が聞かれた。
三段目七十八枚目・栃満(春日野)が三段目七十七枚目・龍成山(出羽海)を押し出して初日を出した一番は珍しい展開となった。
一度目の立ち合いでは、龍成山がつっかけて不成立。気を取り直して二度目の立ち合い。素早い出足で真っすぐに立った栃満に対して、龍成山が左に変化。勢いそのままに前のめりにバタリと崩れた栃満だったが、変化した龍成山もバランスを崩して土俵に崩れ落ちた。
行司軍配は東方の栃満に上げられたが、すぐさま物言い協議が行われ「行司軍配は東方力士が有利と見て上げましたが、両者の体が落ちるのが同時と見て物言いがつき、協議した結果、両者の体が落ちるのが同時と見て取り直しといたします」とアナウンス。
拍手が起こる中で迎えた三度目の立ち合い。再び龍成山がつっかけて不成立。四度目の立ち合いでは、終始頭を低くして突いて出た栃満が押し出して今場所初白星を挙げた。(ABEMA『大相撲チャンネル』)