人気講談師・神田伯山さんが「若年性ED」だったことを告白し、話題を呼んでいる。若年性EDとは、主に20代から40代の若い年齢での勃起不全のことだが、伯山さんは10代の頃に発症し、友人や親にも相談できず、女性と交際もできないなど、ひとり悩んだそうだ。
EDといえば、中高年の悩みというイメージだが、実は若年性EDは5人に1人に症状があるとの調査結果もある。また、特定のパートナーとの時だけ症状が出てしまうケースもあるそうだ。どのような病気で、どのような対処が必要なのか。『ABEMA Prime』で、元当事者と専門家とともに考えた。
■「プレッシャーから負のループに入っていった」
26歳の時に若年性EDを発症し、その後自力で克服した夏山尚也さん。発症のきっかけについて、「それまでは普通に性行為できていたが、疲れとお酒の飲みすぎでできないことがあった。パートナーから『寂しい』『私のこと好きじゃなくなったの?』と言われたことがプレッシャーになってしまい、2回目、3回目、4回目もうまくできない負のループに入っていった」と話す。
20代という若さから「クリニックには行けなかった」というが、まず乱れていた自身の生活習慣を見直すことから始め、その後パートナーに打ち明けたという。
「生活習慣を改善し、少し良くなった後に話し合った。やはり若い人がEDになるということを知らず、女性側としてもどうしたらいいかわからなかったようだ。僕はそれを伝えることができ、緊張を理解してもらえた」
少しずつ成功体験を重ねることで、半年で「大丈夫」と思えるようになったということだ。
「パートナーに伝えることで、性行為の時に協力してもらえたことが一番大きい。普段の性行為は女性主体の環境を作っていたが、こちら主体、例えば室温だったり、タイミングだったり、照明や環境面など様々なことを合わせてもらった」
■「若年性ED」に必要な対処は
新宿ウエストクリニック院長の入江武志氏は、自身もEDに悩んだことがあるという。「患者さんの例でいうと、誰かに相談できたという方には1人もお会いしたことがない。私個人の経験でもとても相談はできなかった」と明かす。
発症の原因については、「大部分の患者さんは気持ちだ。99%くらいは心因性で考えていいと思う」と説明。「性欲が湧き、その信号が自律神経を伝ってペニスへ行く。この時に使われるのは、戦うほうの交感神経ではなく、リラックスするほうの副交感神経。セックスの場面で強い緊張があると勃起しないというのは、ごく普通に起こりうることだ」。パートナー以外には反応する人も多いという。
ソフトウェアエンジニアでタレントの池澤あやかは「女性側のEDに対する認知はとても低い。『私に魅力がないの?』などと聞いてしまって、ますますプレッシャーをかけてしまう。それが一番の原因になっている可能性が高いと思うので、女性に“あなたに魅力がないわけではない”という認知を広めていくことが、根本解決に繋がるのではないか」と述べた。
若年性EDの主な対処や治療法は、睡眠時間や食事バランスを整えるなどの環境的対処、バイアグラなどで血行を良くし勃起を促す物理的対処、精神安定剤などでリラックスし成功体験を積み重ねる精神的対処などがある。
入江氏は、環境的対処で改善できれば望ましいとする一方、それでも治らず悩む場合は病院を受診してもらいたいと呼びかけた。
「薬は3種類あって、成績はバイアグラが8割、レビトラも8割くらい、シアリスは9割くらいある。バイアグラは効くけど他はダメ、シアリスは効くけど他はダメ、など相性はあるが、どれも効かないという人は少ない。適切な量の薬を使って良いセックスができれば、それを繰り返す中で薬の量も減らしていき、離脱できる人が大部分だ。ただ、ものすごく緊張している時に薬が効かないことがあるので、注意が必要。特に最初に少ない量でやってしまうと、“飲んでもできなかった”というショックは大きい。皆さん副作用が心配でそうしてしまうのだが、かえってその後がすごく難しくなる。1回でも改善される人も当然いるが、やはりそれは賭けなので、徐々に減らしていくのが安全なやり方だ」
(『ABEMA Prime』より)
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