愛知から中部地域を、日本を活性化させる。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗として行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で、藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)がチーム中部にエントリーした。エリアの監督を務めるのは自身の師匠でもある杉本昌隆八段(55)。「大会出場登録棋士」に選出されるかは年明けの監督会議で決定されるものの、“八冠王”らのエントリーで超強力な「地域チーム」が誕生した。
本大会は、日本将棋連盟会長・羽生善治九段(53)が就任直後から掲げていた「将棋を通じての地域活性化」の理念を元に、将棋連盟100周年企画として“地域を背負う”をコンセプトに開催される団体戦だ。棋士は「地域エントリー制度」として自身の出身、育った場所、居住地などの中から、所属する「地域チーム」を自ら選択することができる。
愛知県出身の藤井竜王・名人は、師匠の杉本八段が監督を務める中部地区でのエントリーが決定。藤井竜王・名人のプロデビューから愛知県さらには東海エリアで一気に将棋ブームに火がつき、今や東海エリアは将棋どころの一つにカウントされるようにもなった。今年10月に前人未踏の八冠独占を達成した藤井竜王・名人のエントリーにより、中部の地域チームの注目度は一気に増すことになるだろう。
さらに注目したいのは、竜王、名人を含むタイトル6期の経験を持ち、藤井竜王・名人とも数々のタイトル戦を戦ってきた豊島将之九段(33)の中部地区へのエントリーだ。出身は愛知県一宮市ながら、現在は活動拠点の大阪・関西将棋会館のある関西地区に居を構えている。押しも押されもせぬトップ棋士だけに、豊島九段が出身地、居住地どちらのエリアを選択するかも話題となっていた。そのほか、関東所属棋士の松尾歩八段(43)、青嶋未来六段(28)、関西所属の澤田真吾七段(32)、服部慎一郎六段(24)らも出身地から中部地区へエントリー。全10県を束ねるとあり、東西が融合した地域チームでの活動にも期待が高まる。
団体戦には、中部地区にエントリーした20名の中から「大会出場登録棋士」4人が選ばれ、監督を含む5人で挑むことになる。杉本監督は愛弟子の藤井竜王・名人を選出するのか、さらにはどんな最強チームを作り上げるのか。1月6日放送の監督会議は大きな注目を集めることになりそうだ。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)