全国を8つのブロックに分け、エリア対抗として行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で、チーム関東Aの監督を務める羽生善治九段(53)とメンバーの代表が千葉・柏市内で行われた柏市民将棋大会に参加。会場いっぱいに詰めかけた子どもたちとの地域会を通じて、たくさんの応援を受けた。
【映像】少年の鋭い質問にタジタジになる羽生九段(12分10秒頃~)
新企画・ABEMA地域対抗戦の生みの親でもある羽生九段が地域活性化活動の第一歩として選んだのは千葉県柏市。関東Aにエントリーした千葉県四街道市出身の木村一基九段、同松戸市出身の佐藤和俊九段、同八千代市出身の近藤誠也七段、船橋市出身の石井健太郎六段、埼玉県朝霞市出身の塚田泰明九段、ジュネーブ出身・埼玉県育ちの佐々木勇気八段、埼玉県入間市出身の中村亮介六段、栃木県小山市出身の長谷部浩平五段、さらに茨城県水戸市出身の本田小百合女流三段とともに柏市民将棋大会へサプライズ参加した。
本大会は、羽生九段が日本将棋連盟就任直後から掲げていた「将棋を通じての地域活性化」の理念を元に、将棋連盟100周年企画として“地域を背負う”をコンセプトに開催される団体戦だ。監督はエントリー棋士の中から、実力・人気・地域への貢献度など様々な要素を元に「大会出場棋士」4人を選抜しトーナメントへ臨むとあり、棋士たちも自己アピールは必至となる。羽生九段が会場いっぱいに詰めかけたファンに「この棋士に参加してほしいという推薦はありますか?」と問いかけると、子どもたちからは「佐々木先生です!」「近藤先生!」などたくさんの応援の声が上がっていた。
さらに棋士たちには「棋士になって一番嬉しかったこと」「最近ハマっている趣味」「好きな食べ物」「負けが込んだ時の気持ちの切り替え方」などの質問が殺到。地域チームのメンバーらも笑顔で回答するなど、ファンとの交流の時間を満喫していた。最後の質問として少年から問われたのは「才能と努力、どっちが大事だと思いますか?」。鋭い質問に羽生九段も思わず「大人もビックリするような良い質問だね~」と唸り、百戦錬磨の棋士たちからも「おお~」と驚きの声が上がっていた。
羽生九段は、「才能は“持って生まれたもの”という意味だと思うんですけど、自分が持って生まれたものはなかなか自分ではわからないですよね。努力を続けた結果、これが自分が持っていたものなんだとわかったり、一生懸命やった結果として新しい能力が見つかった、ということもあると思うんです。将棋に限らず他のことでもそうですが、興味を持ったことを一生懸命やるということが大事なんじゃないかなと思います」と柔らかいまなざしで回答。さらに、「予想もしていない素晴らしい質問で、それに才能を感じました!」と加え、挙手した少年を絶賛していた。
交流会では、ファンとともにチーム関東Aのスローガンを決定。子どもたちから寄せられたワードを組み合わせ、『ねばり強く一致団結して一丸となって楽しむ』を掲げた。発起人でもある羽生九段も、ファンとの交流で大会のビジョンがより明確になった様子。弾けるほどのパワーとエールを受け取り、地域チームのメンバーと気持ちをひとつに合わせていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)