【MLB】パドレス2-5ドジャース(3月20日/ソウル)
多彩な変化球の持ち主は、その投球フォームにすら変化を加えて相手を惑わしまくる。パドレスのダルビッシュ有投手が自身4度目の開幕投手で3回2/3を投げ2安打1失点(自責0)と好投。惜しくも白星とはならなかったが、今シーズンへの期待を大きくする内容だった。球速、変化量とも申し分なかったが、ダルビッシュの野球IQの高さが現れたのは、投球フォームの間合いを変える“緊急停止”だった。
球速も10キロ変われば、プロ野球選手にとっては大きな違いだが、普段投げているタイミングからいきなりピタッと停止されれば、その狂いは球速にして10キロや20キロといった騒ぎではない。投げることに関して、日々研究と練習を怠らないダルビッシュからすれば、投球動作そのものに変化を加えることも容易なのかもしれない。
3回1死から迎えたのはドジャースのベッツ。1番打者にして昨季は39本塁打に107打点と打ちまくり、その後に続く大谷翔平、フリーマンの「MVPトリオ」はメジャー30球団の中でもNo.1の破壊力と言われている。
どうにか大谷の前に走者を出したくないダルビッシュは、初球からスライダー、ツーシーム、ストレート、スライダーと投げ分けカウント2-2と追い込んだ。ここで5球目に選択したのが、この日最速となる95.8マイル(154.2キロ)を計測したストレート。これをダルビッシュはただ投げ込むだけでなく、投球動作で足を上げた状態で少し止まるように溜めてから投げ込んだ。
わずかに低く外れたためボールの判定だったが、この1球を見た解説の西岡剛氏はすぐさま「今タイミングずらした。足上げてから間を変えて投げていったんですよね」と指摘。ダルビッシュのクレバーさがわかる投球術に反応していた。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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