■独身・子なしは自己責任? 子持ちからの“不快な経験”も

 最近では、子どものいる親を皮肉る“子持ち様”なる単語も生まれている。フリーアナウンサーの国山ハセンは「反対に『独身貴族』『子なし貴族』という言葉もある。自らの選択であり、自己責任だとも言われる中で、カテゴライズすることでギスギスを生んでしまう」と指摘。

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 タレントの山崎怜奈は「『自分が選べなかった人生』を生きている人に対する“ざらり”とした感覚は昔からあったが、それがSNSで可視化されただけではないか。そのタイミングに子育て政策が絡んだが、『分担して背負っている』という声はずっとあったはずだ」との見方を示す。

 朝生氏が行った、子どもがいないことで受けた「不快な経験」の調査(母数88人、いずれも複数回答)では、「子どもはいかに素晴らしいかを聞かされた」が54人、「子どもがいない原因を追究された」が37人、「子どもはいかに大変かを聞かされた」が35人。また、「不快な経験」にどんな行動をとったか聞くと、「何もしなかった」が44人、「仕事のモチベーションが落ちた」が28人、「誰にも相談できなかった」が12人と続いた。

 こうした結果に対して、「『子どもを育てるのが素晴らしい』と言ってはいけないのか?」という反応があるという。「圧力になってしまうのが問題。職場のみんなが『子どもかわいい』といっている中で、その話題に入れないとこういう声が出る。押しつけになる環境がなんとかならないものか」。

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 一方、ライター・編集者の速水健朗氏は、酒井順子氏のエッセイ『負け犬の遠吠え』(2003年)を引き合いに、「独身者の視点から『社会は結局、子どもを産んだ人が勝っている』と書かれている。しかし、その後20年で日本も変わり、『マウンティングはおかしい』という前提で議論ができているのは、ずいぶん進歩したと感じる」と語る。

 朝生氏は、「職場や話す場に、いろいろな境遇の人がいたほうがいい」と提案する。「女性だけだと『子どもいる・いない』で二分されてしまう。外国人や障害者、男性も……と入ることで違ってくる。単純に『お金を払えばいい』という話ではなく、子どもを持っていない人が後ろめたさを感じて、本音が言えない現状に問題がある。対価の要求も含めて、そういう声を聞ける雰囲気を作ってほしい」。(『ABEMA Prime』より)

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