■無意識に体が動く、声が出る「トゥレット症」とは

 よくトゥレット症に加えて「チック症」という単語も聞くが、どういう症状なのか。東京大学医学部附属病院・金生由紀子准教授が監修した説明によると、必要以上のまばたき、顔をしかめる、ジャンプ、モノや人に触る、首ふりなどの「運動チック」と、せき払い、鼻鳴らし、奇声を発する、言葉を繰りかえす、汚言症(卑猥、ののしる)などの「音声チック」がある。これらが1年以上続いて、運動チック・音声チックの両方があると「トゥレット症」と診断される。

 トゥレット症の原因として、脳内回路の異常や、神経伝達物質の異常が関係していると言われている。経過は、4~6歳での発症が多く、10~12歳でピークとなるのが典型的だ。多くは成人までに改善する。

 運動チックは「人によって症状が違うが、ジャンプしたり、体に力が入ってしまったりする。自分の顔を叩く症状がある人は、それで骨折することもある」と、酒井さんは説明する。「トゥレット症の中に、チックが入っているイメージだ。チックは幼少期に多いと言われているが、治らずに重症化してしまうとトゥレット症になる。大半は年齢を重ねるごとに治まっていく」。

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