■パックン「“アウトロー”を応援する国民性」「模倣犯を誘発する懸念」
一部SNS上では、容疑者を「左派・半資本社会主義の革命家」と想像する声がある。しかし、容疑者の過去のネット投稿や犯行声明文等から読み取れるのは「医療保険業界」への不満で、政治的思想があるわけではないようにも思える(米メディア報道から番組まとめ)。
米SNS調査会社Network Contagion Research Instituteの分析によると、殺害に肯定的だったり被害者の誹謗中傷が上位にあったほか、投稿に「さぁ始めようか」といった記述も多数あるなど、ムーブメントの始まりを示唆する向きもあるという。また、ほかの企業関係者に警戒を促す投稿も見られたそうだ。
パックンは「アメリカの国民性として“アウトロー”を応援する。ハリウッド映画を分析すると、例えば警察官が主人公であっても、まず何か問題を起こして、バッジと銃を置いて休みをとってという、反体制的な立場からヒーローになるわけだ。ストレートヒーローがほとんどいない。それがされに拗れ、ジェフリー・ダーマーという殺人鬼の実話がドラマ化されてかっこいいとなる風習が今はある。常識に挑戦することはイノベーションに繋がる一方で、反体制、反常識、反治安的な思想にも繋がる」と懸念を示す。
暴力に訴える手段について、町山氏は多くのアメリカ国民も「もっと良い方法があったのでは」と思っている一方、「その手段を取らざるを得ないほど追い込まれていたこと」への共感はある、との見方を示す。議会が動かないことによる政治への無力感、SNSで声をあげても起業が動かない社会運動への失望も背景にあるとみられる。
パックンは「保険制度改革が必要なのは間違いなく、共感されるのもわからなくはない。ただ、事件の後に取り上げると、模倣犯を誘発する懸念がある。安倍元総理銃撃事件で旧統一教会がすごく叩かれた時、結局は犯人の思惑どおりに社会が動いているなと感じた。“次は財務長官を殺せば税制が改革されるかもしれない”と思って、同じように踏み出す人がいたらどうするのか。事件が起きる前からこうした問題を取り上げ、メディアが先陣を切って解決に取り組まなければならない」と訴える。
町山氏は「きっかけ事件だったとしても、これは本当に存在する問題であり、解決すべきことだ」とした上で、「政治家もそれを拾わないと支持を得られない。民主党は今追い詰められているので、保険制度改革を1つのイシューにして、前面に出していくのではないか。これまで支払い拒否に関する議論はきちんとされてこなかったので、今度はやらざるを得ないだろうと思う」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より)
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