■「君よ、大樹たれ」生徒たちに伝えたいこと

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合唱部の練習風景

 創部20年以上の日明小合唱部は、全国大会に2年連続で出場が決まり、この年も金賞を目指していた。自由曲には「樹形図」という曲を選んだ。

「樹形図の中には『君よ、大樹たれ』『始まりは小さな種だった』という歌詞がある。子どもたちは、今は小学生でできることも限られていると思うのですが、いつかは何物にも動じない、誰かを休ませてあげる、木の葉っぱで太陽の光から守ってあげる、そういう人になってほしい。その歌詞を子どもたちに伝えたいという思いで選びました」(竹永先生)

 そんな竹永先生に対して合唱部の生徒たちは「いつも自分のことを犠牲にして合唱部のために頑張ってくれている。竹永先生に感謝の気持ちを込めて歌っている」「病気ということを感じさせないくらい元気で、歩く時にちょっと違和感があるが、それをネタにして笑わせてくれる。優しくて本当いい人、大樹のような人だと思っています」と話した。

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全国大会の様子

 全国大会の日、生徒たちは緊張した面持ちでステージに上がった。自由曲の「樹形図」では、指揮者の竹永先生と部員全員の思いが一つになって会場全体に美しい歌声が響き渡った。

「君よ、大樹たれ その歩みを樹になぞらえよ 今、君が見上げる大樹も 始まりは小さな種だったこと 君よ、大樹たれ」(樹形図より)

 審査の結果、日明小合唱部は見事2年連続の金賞を獲得することとなった。

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