「有力、面白いと思えることが前提」 

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――“8四歩外し”の可能性があるということは、3四歩もあるぞという宣言ととらえても?

 藤井竜王・名人:「いや、いや、ある“かも”しれない、ということですね(笑)。新しい形を試すにしても、自分自身で有力だったり面白いと思えるということが前提にはなります。△8四歩や△3四歩というところにはこだわらず、そういう形を探っていきたいという感じです」

 2025年を迎え、藤井竜王・名人の公式戦対戦は早くも2局指されている。第10期叡王戦本戦トーナメント1回戦 対 増田康宏八段(27)戦、さらにタイトル防衛戦の第74期ALSOK杯王将戦七番勝負第1局 対 永瀬拓矢九段(32)戦が行われたが、振り駒で後手番となった王将戦第1局ではこれまで通り飛車先の歩を突くところからスタート。藤井竜王・名人の新たな世界観の披露はまた別の機会へおあずけとなった。しかし対局相手にとっては、例え先手番を持つことができたとしても“絶対王者が違うルートを模索している”という事実は、これ以上ないプレッシャーとなることは間違いない。

「変化だけではなく、進化を」

――叡王奪還と八冠復帰を目指す一年になる

 藤井竜王・名人:「昨年は特に後手番で苦戦するという傾向が顕著だったかなというふうにも感じているので、今年は特に後手番のときの戦い方を含めていろいろ模索していければ、というふうには思っています。ただ、変化するというだけじゃなくて、何か進化していかなくてはいけないというふうに思っているので、引き続きしっかりと実力を少しずつでも高めていくということを目標にして頑張っていきたいと思います」

――昨年末には、『詰将棋回答選手権で伊藤叡王の初優勝を“絶対”阻止する!』という宣言もあった(?)

 藤井竜王・名人:「いや、『絶対』って言ってないですよ!絶対とは言ってない(笑)ハハハハ!日程次第というところもあるんですけど、可能であれば私自身も出ようかなと思っています。でも私もちょっとあの、ブランクがあるので、そろそろ厳しいかなという感じがしないでもないです…(笑)」

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