貸金庫を開けるためには、2本のカギが必要だが、Aさんによると「スペアを銀行は持っている。やろうと思えばいくらでもできちゃう」。元行員もスペアキーを使用していた。スペアキーは契約時に、その場で専用の封筒に入れられ、利用者側と銀行側の双方が、印鑑を押して封印。銀行側で保管する。しかし「ノリでくっつけているだけ。ドライヤーで温めて、開けて戻すことは可能。性善説で管理している」のが現状だという。
なぜ、このような犯罪が起きたのか。「通常業務は1円でも合わないと業務を終えられない。窓口で1円足りないとなれば、何時間も探す。現金事故は厳しく扱われるが、今回みたいに見えない部分だとわからない」。
銀行員による着服事件は、ここ数年だけでも度々発生。その手口は様々だが、いずれも1000万円を超える大金が着服されている。
不正に手を染める銀行員について、Aさんは「目の前にあるものが、自分の財布にあるのと同じ“お金”に見えた人が、悪い方にはしる。扱っているのが現金だから、ATMでも窓口でも、管理する人が『悪いことをしよう』と思ったらできる。盗もうと思ったら盗める状態。よく聞くのは『ATMから1000万円盗んで逃亡した』とか。私の先輩も10億円の詐欺をして捕まっている」と話す。
今回の事件を受けて、三菱UFJ銀行では、貸金庫内にも防犯カメラを設置するなどの再発防止策を発表した。「他の銀行も戦々恐々としていると思う。『自分の所で出てきたら、どう検査や確認をするんだろう』とか。中身がわからないから、盗まれたかどうかの証明もできない。いまだに発見されてないが、やられているところはあると思う」(Aさん)。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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