将棋の「囲碁将棋チャンネル 第74期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局が2月15・16の両日、大阪府高槻市の「摂津峡花の里温泉 山水館」で行われ、藤井聡太王将(竜王、名人、王位、王座、棋王、棋聖、22)が永瀬拓矢九段(32)に124手で敗れた。この結果、藤井王将のシリーズ成績は3勝1敗に。次戦は3月8・9日に埼玉県深谷市の「旧渋沢邸 中の家」で指される。
新たな関西将棋界の本拠地となった高槻市を舞台に争われた第4局。本局は、藤井王将の先手で角換わり相腰掛け銀の戦いとなった。永瀬九段の工夫に対し、藤井王将も負けじと対応して互いの研究をぶつけ合う展開に。ハイペースで指し進める永瀬九段に対し、藤井王将はたっぷり持ち時間を投入。一時は両者の持ち時間の差が約3時間ほど開く場面もあった。しかし、超難解な中盤戦では長考合戦となり、水面下の繊細な読み合いが繰り広げられていた。
藤井王将の攻め、永瀬九段の受けの構図で終盤戦へ突入したが、形勢不明の状態は続く。藤井王将はバランスの取れた陣形を活かして後手陣へと踏み込んでいった。しかし、終盤戦での永瀬九段の決断の一手に藤井王将が大長考。寄せに向かって強気に前進していったが、わずかに誤算が生じたか、急転して永瀬九段が抜け出すこととなった。終盤に圧倒的な力を発揮する藤井王将だが、本局では再び流れを引き戻すことができず、シリーズで初めて投了を告げることとなった。
この結果、シリーズ成績は藤井王将の3勝、永瀬九段の1勝に。開幕から3連勝で走ってきた藤井王将だったが、ここで永瀬九段が一矢報いることとなった。藤井王将は2期前の第72期王将戦第5局から白星を重ね、9連勝中だったが記録は永瀬九段によって止められることとなった。また、2日制の先手番では2021年度の王位戦第3局から32連勝をマークしていたが、この記録もストップとなった。
永瀬九段と藤井王将の終局後コメント




