今回、『ABEMAヒルズ』が取材したのはopsol(オプソル)高齢者・ケア住宅紹介サービス。
老人ホーム紹介センターは、有料老人ホームといった高齢者向け施設に対し、入居を希望する人を紹介する業者のこと。紹介した人が入居することで、施設から紹介料をもらう。
老人ホーム紹介センターの仕事とは
この仕事を10年以上続けているという代表の石津和幸さん。相談者との連絡や施設への営業など、業務は多岐にわたる。
「定期的に老人ホームに伺って、空室情報含めて新しい情報を聞いて、マッチングの精度を上げられるように取り組んでいる。(入居者の)顔を見に行くのも、時間が空いたときにいつも対応している」
紹介センターに支払われる紹介料の高騰
そんな石津さん、業界の“ある異変”に危機感を抱いている。
それは、「紹介センターに支払われる紹介料の高騰」である。
「特定の条件に該当する利用者様を紹介し入居に至った場合の手数料が一般のお客様と非常に大きく差をつけることが業界内で起こっている」
「相場の5倍以上」支払う施設がある
高齢者住まい事業者団体連合会のアンケート結果によると。平均額では20万円から30万円が相場だが、最高額を見ると160万円以上という、相場の5倍以上を支払う施設があることが明らかになった。
難病指定の人を紹介すると120万円
番組が独自に入手した紹介センター宛てに施設から送られてきたチラシの一部。一般の利用者を紹介すると40万円、難病指定を受けている人を紹介すると120万円。症状が重い人ほど紹介料が高額になっている。
別の施設では、要介護5の人で最大60万円。さらに、特定顧客の場合は100万円に増額との記載がある。
こうした価格の高騰はなぜ起きているのか?
「十分にペイする」
日本の介護サービス事情に詳しい東洋大学の高野龍昭教授は「重度の病気を抱えた人、特にいわゆる神経難病と言われる代表的なものはパーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病。高齢者向け住まいの事業者が、仮に医療サービスをふんだんに提供すれば、その事業者全体の収入が月に1人あたり100万円をくだらないというケースも出てきている。十分にペイするし、むしろ安いくらいじゃないかという考え方になり、紹介料が高くなってきた」と説明。
大阪では施設が供給過多
こちらは、有料老人ホームの都道府県別の登録状況。施設が供給過多となっている大阪では、入居者の取り合いが起きているという。
「供給が過剰になってる中で、需要、つまり高齢者側が一定数であれば、紹介料は必然的に市場原理の中で高くなっていく」(高野教授)
こうした中、一部の施設利用者からは不満も噴出している。
関東の特養を希望したが…
番組が取材したのは、大阪在住の30代の女性。女性は去年、父親を施設に入居させることになり、病院から紹介された紹介センターの職員と施設を探すことに。当初、女性は父親が住む「関東」で料金が比較的安く済む特別養護老人ホーム(特養)への入居を希望したが…
「『関東だと倍率が高すぎるし、料金もとても高いから、もう大阪で探した方がいい。特養は1年以上待つのが当たり前だから、一旦有料老人ホームに入れるべき』。(自分が)『ここ安いんじゃないか』『ここならもっと家に近いんじゃないか』と送ったりもしたが、何かと理由をつけられて断られてしまって」
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