「本当は稼ぎたい」

思い込みの解消がカギ
拡大する

 小安さんが宮城県気仙沼市の水産加工会社で目の当たりにした「子どもがいる女性だから」という思い込み。この中に賃金格差解消に向けたヒントがあった。

「『力量表』という、自分がどれだけの仕事ができているかを示す表を作ってもらうと、早く帰さなければと思っていた女性がすごく能力が高いと分かった。『これはもっと活躍してもらわなきゃいけない』と、経営者側の意識が高まって、彼女たちが働ける正社員の雇用形態を作ることにつながった。本人がどうしたいかということを言語化できていないこともあるので。『本当は稼ぎたい』とか、本当はこれからの将来を考えるともう少し収入が欲しいといった本音を引き出すことをやってその上で、正社員になれる制度を作っていただくという2段階で進めた」

 また、夫婦間で育児や家事、仕事について本音で話し合うことが理想的な働き方に向けて重要であると指摘する。男女の賃金格差は年を重ねるごとに広がるというデータも。

50代になると女性は男性の半分程度しか稼げていない
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