勝利した藤井棋王は、シリーズを振り返り「先手番の時に主導権を取れなかったところは課題と感じるが、本局を含めて中盤でのねじり合いのような将棋が多く、指していて勉強になった」とコメント。一方、敗れた増田八段は「中終盤のあたりの競り合いで良くしきれなかった。そのあたりが力不足だったことを痛感した」と初挑戦したタイトル戦を総括した。
この結果、藤井棋王は防衛3連覇を達成。「内容的には際どい将棋の連続だったので実感は無いが、ひとつ結果を残せたことは嬉しく思う」と話した。さらに17歳11カ月での初タイトルから獲得数を伸ばし、通算27期に。この記録は、谷川十七世名人が2003年に行われた第29期棋王戦で奪取に成功し、40歳で達成したものだ。22歳の若き絶対王者が、早くも歴代5位の快記録に並ぶこととなった。さらに、タイトル戦での勝利数も「100」の大台にも乗せてみせた。
藤井棋王は、現在並行して行われている王将戦七番勝負でも、挑戦者の永瀬拓矢九段(32)を相手に3勝1敗のスコアで防衛4連覇に王手をかけている。春へと移り行く季節の中で、どのようなクライマックスを迎えるのか。若き絶対王者の躍進から、まだまだ目が離せない。
◆藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002年7月19日、愛知県瀬戸市出身。中学2年生時の2016年10月に史上最年少で四段昇段、史上5人目の中学生棋士となる。2020年度の第91期棋聖戦でタイトル初挑戦。渡辺明棋聖(当時)を破り、17歳11カ月で最年少タイトルホルダーとなった。以降獲得と防衛を重ねて、竜王4期、名人2期、王位5期、叡王3期、王座2期、棋王3期、王将3期、棋聖5期の通算27期。棋戦優勝は10回。2023年度の第81期名人戦七番勝負を制し、20歳10カ月の最年少名人に就位。同10月には第71期王座戦五番勝負を制し、前人未踏の「八冠独占」を達成した。2024年度にはそれぞれ5連覇で永世王位、永世棋聖の資格も獲得した。通算成績は401勝83敗、勝率は.829。趣味は鉄道、チェス。
(ABEMA/将棋チャンネルより)





