思わず大きな体が猛スピードで立ち上がった。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」、予選Aリーグ1位決定戦、関西A 対 中国・四国が3月8日に放送された。第2局、関西Aは谷川浩司十七世名人(62)、中国・四国は菅井竜也八段(32)が出場しての一局になったが、終盤に形勢大逆転のドラマ。必死に応援していた中国・四国の糸谷哲郎八段(36)も「行けるぞ!」と巨体を揺らすことになった。
先手のレジェンド・谷川十七世名人が居飛車、後手で振り飛車党の代表格・菅井八段が四間飛車に構えて始まった一局は、序盤から谷川十七世名人のペース。一瞬の隙を見逃さず、▲2三飛成と飛び込むと解説の村中秀史七段(43)も「やりましたね!さすがです」、関西Aの控室からも「おー!」という歓声があがり、久保利明九段(49)からも「これはいいものを見ました」というコメントまで飛び出した。知識と決断力がなければ指せない一手に関西Aが盛り上がる中、菅井八段も少々リードを奪われたとて、あっさり負けてもいられない。その後は菅井八段の粘りもあり混沌とした中盤を経由したが、終盤に入ったところでは谷川十七世名人の分厚い攻めが奏功し、ABEMAの「SHOGI AI」でも、先手の勝率が80%から90%まで傾いていた。
菅井八段の猛烈な追い上げ!
