中島:今こうしてお話してみて、仕事としてやることに対して私はいまだに折り合いがついていないなって思います。ちょっとおかしなことを言いますけれど、みのりちゃんはもとから声優になりたいと思っていて。
鈴木:そうです。
中島:私は芸能事務所に入ったときも、歌手になりたいとか思ったことなかったんです。
鈴木:あ、そうなんですか。
中島:別に芸能人とかにはなりたくなくて、歌が好きだからうまくなりたくて練習したいレッスンしたい。好きだから聴いてみてほしいという気持ちだけ。プロになろうという心構えを一切しないまま飛び込んでしまった引け目とかもあって。本当は陰でひっそりやっていたいのにステージに立つことになって「じゃあなんで応募したの?!」って聞かれても、それもわからなくて、ただ好きなだけで……みたいな(笑)。でもたぶん、そこがよかったんだと思います。
鈴木:ランカちゃんと何かが重なりますね。
中島:そうそう。ランカちゃんもすごく歌手になりたいというよりも、歌うことが好きな気持ちが先にあって、ある意味軽い気持ちなのかもしれないですけれど、その折り合いのつかなさも、別にすごく悩んでいるというわけでもなく、なんでしょう……。好きだからこそ折り合いがつかないのだろうとなと思うと、仕事が嫌いよりかは絶対いいかなと。
好きが故に出てしまう葛藤は、みのりちゃんが言ったように仕方がないことですし、最初はわからないことだと思うので、のちのち私のように「あれ? なんで?」って思う時があるかもしれませんが、あまり気にせずやっていければいいのかなって、自分に言い聞かせています。
取材後に出た中島の言葉