エリクトは「ひとつ!ふたつ!みっつ!」と、宇宙空間に飛び出た直後に襲い掛かってきた3機のモビルスーツをあっという間に撃破する。爆散するモビルスーツを見て「ろうそくみたいで綺麗だね!」と無邪気な笑顔を見せていた。
このシーンはただの“可愛い子どもが操縦しちゃった”話ではない。GUNDフォーマットはパイロットの神経に大きな負荷をかけて命の危険すらある技術だが、エリクトはその高い適性によって、むしろガンダムと心を通わせるように操縦してしまう。
このときは母・エルノラも操作を行っていたように見えたが、実際にはエリクトの「意志」と「存在」こそがルブリスを支配していた。エリクトの存在こそ後のガンダム・エアリアル、そして“水星の魔女”へと物語が繋がっていく大きな伏線となっている。
「水星の魔女」の世界ではエースパイロットの基準は不明瞭だが、往年のガンダムシリーズでは敵モビルスーツの5機撃墜がエースパイロットの基準として語られることが多い。その基準に照らし合わせてみても、エリクトは最年少にして、いきなりエースパイロット級の活躍をみせたといっていいだろう。
アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は、サンライズ制作によるロボットアニメで、「ガンダム」シリーズ初の本格的な女性主人公作品。矢立肇氏・富野由悠季氏の原案によるオリジナル作品で、第1期は2022年10月から2023年1月まで、続く第2期は2023年4月から7月まで放送された。
宇宙と地球の経済格差や企業間の利権争いを背景に、学園を舞台とした新たなガンダムの世界観が描かれる。物語は、水星からやってきた少女スレッタ・マーキュリーが、モビルスーツ「ガンダム・エアリアル」と共に、名門アスティカシア高等専門学園での出会いと成長を通じて、過酷な運命に立ち向かっていく姿を描く。
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