■“お仕事見学”で意識が変化!?文理選択の問題点とは

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 『ABEMAヒルズ』のスタジオでは、この取り組みの効果について議論が交わされた。山田進太郎D&I財団 COO 石倉秀明氏は「1回の体験前後でアンケート結果を見ても、理系の仕事を身近で親しみやすいと感じる人は19%増え、女性に向いてそうと感じる人は45%も増えている。理系に進もうという意向は16%上がっている」と体験プログラムの効果を強調した。

 続けて石倉氏は「日本は高校で文理選択がある。文系を選んだ人が後から理系に進むことはあまりない。基本的に、文理選択のタイミングで、女性はほとんど理系を選んでいない。選んでいても、医者や薬剤師がほとんど。それ以外の理系の仕事は、実際に企業で働いてみないと、イメージできない。もっと仕事内容を知った上で、数学が好き、プログラミングが好きなら、理系に行ってみようかなと思う人が増えたらいいなと思う」と日本の文理選択の問題点を指摘。続けて「理系分野の女性が少ないということは、親自身もイメージができていないので、昔の価値観で話してしまう」と親世代の課題についても触れた。

 海外の事例として、石倉氏はドイツの「ガールズデイ」を挙げ「ドイツは2001年から国の政策として『ガールズデイ』を4月末に1日実施している。1日で12万人くらいの女子中高生が理系分野の仕事を体験する。これを実施した結果、ドイツではSTEM分野に進む女性の割合が2倍以上になり、逆に『ボーイズデイ』も作ろうという動きがあるほど」と体験プログラムの重要性について重ねて強調した。

迫る“2029年問題” 企業の意識改革が必要?
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