分離手術に際しては「うれしさも、悲しさもあった」という。「常に一緒だった兄と離れてしまった寂しさと、解放されて独立した生活ができる喜びがあった」。亡くなった今、ベトさんに対しては「兄を慕っているし、兄の犠牲で今の私がいると感謝している。今も毎日、仏壇に手を合わせている」と語る。

 ドクさんは現在、結婚して子どもがいる。「幸せに暮らしているが、一家の大黒柱として、家族を養う困難さもある。妻は専業主婦で、子どもは双子だ。成長したときにお金がかかるが、ベトナムの社会福祉制度は、まだ十分に整っていない。自力で稼いで、家族を養う必要がある」。

 結合双生児を妊娠した親は、どのような選択をした方が良いか。「障害を持つ気持ちはよくわかるが、血がつながった子であることには変わらない。私だったら産むだろう」。あらゆる価値観があるとしつつ、「ほとんどの親は、経済面や社会環境のなかで、精神的にやられてしまうことが多い。私の場合は、子どもがどんな状況で生まれようとも、必ず育てるだろう。それを何の問題なく受け入れてくれる社会であってほしい」と願う。

■障害を抱える子どもを育てられるか…悩む親たち
乙武氏「地獄の苦しみだった」 タブー視されてきた"障害者の性"

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