■障害を抱える子どもを育てられるか…悩む親たち
境野氏によると、「日本の母体保護法では、子どもの障害だけを理由にした中絶は認められていない」そうだ。「経済面や母親の健康を考えて、中絶するかを話し合う。『日本は安易に中絶へ走る傾向がある』という意見もあり、社会福祉や障害のある子へのサポートから、どのように自立するかも、多くの小児科医は知っている。ぜひ小児科をまじえて相談してほしい」。
「パックンマックン」のパックンは、「僕のおじさんは、障害を持って生まれ、40代で亡くなった」と明かす。「最初は4歳まで生きられないと言われたが、生き抜いてすてきな人生を送った。親である僕の祖父母は付きっきりだったが、お葬式では『スコット(おじ)が居てよかった』と言っていた」。祖母は、息子への思いを本にしたそうだ。
一方で、「障害を持ったのは、家系に遺伝の異常があったから。僕が子どもを作ろうとした時に、まず『妊娠したら検査を受けて』と言われた。あれだけ『スコットが居てよかった』と思っていても、子どもの人生は、その親が決める。その決断は尊重するしかない」とも語る。
NO YOUTH NO JAPAN代表理事の能條桃子氏は、「生産性を高める価値観が強い社会に、障害児は当てはまりにくい」と指摘する。「『子どもは家族が見るべきだ』『養えないのに産むのはどうか』という論点もある。子どもの障害を親は選べない。『自分たちも事故でいつか障害を持つかもしれない』と考えると、誰もがリスクを持っている。だから、『障害者を排除しよう』という方向性にはあらがった方が、生きやすくなるのではないか」。
(『ABEMA Prime』より)
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