■金価格上昇は「通貨価値下落」の裏返し? 有事か平和かで今後の金価格が変動?
金の価格高騰について、崔氏は「金の価格が上がっているという意識は全然なく、むしろ日本円やアメリカドルの価値が下がっているだけなのかなと思う」と分析し、さらに、「日本政府が一番持っている資産は、金ではなくアメリカの国債、アメリカドル。今、その基軸通貨が揺らいでおり、金価格が上がり日本円は下がっている」と推測する。
基軸通貨であるドルの信頼度低下には、トランプ政権(当時)の政策なども影響しているのか。崔氏は「あると思う」と答え、「アメリカ一極ではなく多極化するかもしれない。その中で、アメリカが基軸通貨ドルを使って完全に交渉していた。それを面白く思わない中国、ロシア、BRICS諸国が新しいBRICS通貨を作ろうという動きがある。しかし、いきなり新しい通貨を作っても誰も信用してくれない。こういった国々が金をすごく買っている。だから、今アメリカが関税などで動乱が起きていて、相対的に基軸通貨の価値が分からなくなってきている。」と語った。
崔氏は、アメリカが相互関税を発表した4月3日の株式市場が全面安の中で、金のETF(上場投資信託)はむしろ少し上がり始めていた点にも触れ、「やはりリスクヘッジで買いたいという人は根強いのかなと思う」と述べた。
また、アメリカが発表した相互関税が金価格に与える影響については「私は、このまま相互関税が発動され、かつ世界の有事の状況が続く限り、金の価値は上がりやすいのではないかと思う。でも逆に、ここで戦争を終わらせる、関税も一旦やめる、という話になると、金が大きく下がる可能性がある。しかし、どちらに転んでもいいように、ある程度の割合は金を持つのは、悪くない選択だと思う」との見方を示した。
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