将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋王、王将、棋聖、21)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第83期名人戦七番勝負が4月9日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で開幕した。防衛3連覇を目指す藤井名人と対するのは、初の名人奪取を狙う永瀬九段。タイトル戦で5度目の激突となる両者による本シリーズでは、どのような名場面が生まれるのか。振り駒の結果、第1局の先手は永瀬九段に決まった。
藤井名人は、2016年10月に四段昇段。第37期竜王(1組以上:4期)。獲得タイトルは歴代単独5位の28期、棋戦優勝は11回。激動の2024年度は、初めて失冠を経験。それでも保持する7つのタイトルを堅守し、うち棋聖と王位ではそれぞれ永世称号を獲得。40勝12敗で勝率は.769、将棋大賞では5年連続の「最優秀棋士賞」に輝いた。
藤井竜王にとっては、本局が2025年度初戦。昨年度の王将戦七番勝負決着局以来約1カ月ぶりとなる本局では、どのような進化が見られるのか。本局では、黒色に赤色のグラデーションが映えるインパクトのある羽織を着用。より一層の風格をまとい、引き締まった表情を見せていた。
挑戦者の永瀬九段は、2009年10月に四段昇段。竜王戦2組(1組:7期)。タイトルは叡王1期、王座4期の通算5期。棋戦優勝は3回。将棋界でも屈指と言われる豊富な研究量を誇り、対局でも「負けない将棋」に徹し千日手や持将棋もいとわない。第83回順位戦A級ではリーグ戦を6勝3敗で駆け抜け、名人3期の佐藤天彦九段とのプレーオフの末に初の挑戦権を獲得。前年度は29勝18敗で勝率は.617で、将棋大賞「敢闘賞」を受賞した。
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