日本の教育が抱える課題
全員一律で、どちらかといえば授業についていけない子どもに合わせるのが通常の日本の教育。つまらないと感じ、意欲が低下したり、学校になじめず不登校になったりするといった問題を抱えている。
「米国のジョンズ・ホプキンス大学のCenter for Talented Youth(=CTY)という、ギフテッドというと言い過ぎかもしれないが、いわゆる特異な才能を持つ子どもたち、『ふきこぼれ』の子たちのためのプログラムに出会った。ここで、息子がこういうものを必要としていたのだとようやく気づかされた感じだった」と小林氏は語る。
Education Beyondでは、このCTYプログラムを参考に、子どもたちが求める学びをサポートするスクールを開催している。
「小学生が『自分はこれにすごく興味がある』というテーマを決めて応募すると、それに伴走する大学院生や研究者、社会人などとマッチングを行う。その二人が3カ月の間に9~10回、オンラインで一つの研究テーマについて伴走してもらいながら、子どもが研究を進めていくというプログラムだ」
来月からはCTYの日本版プログラムを開始するとのこと。小林氏は、現状の学校教育では対応できないニーズに応えていきたいと話す。
「どうしても日本だと『ふきこぼれ』た子たちは塾に行っていればよいのではないか、あるいは反復学習でどんどん先に行く学習などもあるが、それが一般的だと思う。ただ、実はこういう特性を持った子どもたちは、反復学習は逆に苦手だったりして、もっと何かを深く学びたいとか、物事の真理をちゃんと理解したいという欲求が極めて強い子たちが多いと言われている。最終的には学校の学びと、こうした学校外の学びがゆるやかに包摂されていく世の中というのが理想なのだろう」と小林氏は指摘する。
「ふきこぼれ」の実態とその認識
