将棋の第10期叡王戦五番勝負第2局が4月19日、石川県加賀市の「アパリゾート佳水郷」で指され、伊藤匠叡王(22)が挑戦者の斎藤慎太郎八段(31)に勝利した。この結果、シリーズ成績は両者1勝1敗に。次戦を制し、先にタイトルに“王手”をかけるのはどちらか。注目の第3局は、5月4日に愛知県名古屋市の「か茂免」で指される。
初防衛を目指す伊藤叡王が、“好相性の地”でシリーズ初勝利を飾った。本局は、石川県加賀市の「アパリゾート佳水郷」が舞台。前年、挑戦者として同学年の藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)に挑んだ伊藤叡王は、この地で行われた第9期叡王戦第2局で初勝利。タイトル奪取への足掛かりとなった思い出の地でもある。
今年はタイトルホルダーとして、斎藤八段の挑戦を受ける立場となった伊藤叡王。後手番の本局は、相掛かりの出だしから相中住まいの接近戦に。濃密で難しい中盤戦から、互いに桂馬を活用させて攻め合いを志向した。
様々な戦型に深い研究のある伊藤叡王だが、相掛かりも得意戦型だ。後手番でも高勝率を誇っており、本局でもその力を発揮するように主導権を握ることに成功。やや苦しい形勢となった斎藤八段は攻防の位置に角を打ち込んで勝負に出だものの、伊藤叡王も強く踏み込み先手を圧倒した。斎藤八段も持前の終盤力を駆使して激戦に持ち込んだが、伊藤叡王は視野を広くじりじりとリードを拡大。厚みを活かして最後は一気に押し切り、待望の初勝利をもぎ取ってみせた。
終局後の伊藤叡王、斎藤八段のコメント




