将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第83期名人戦七番勝負第3局が5月9・10の両日に行われ、藤井名人が勝利。開幕3連勝で防衛3連覇に“王手”をかけた。本局では、“藤井曲線”を描いての完勝が大きな話題に。終盤戦で見せた一瞬の間合いに、解説棋士も「この切り替えは普通の棋士にはできない」と感嘆の声を漏らしていた。
関西国際空港開港30周年を記念して開催された第3局。両者ともに初めて訪れた場所とあり、藤井名人も「対局を楽しみにしていた」という。永瀬九段の先手で始まった注目の一局は、藤井名人が2手目に公式戦で2局目の採用となる角道を開ける一手を選択。角交換を拒否すると、永瀬九段は「相矢倉にするのは自然だと思った」。藤井名人は中住まいのバランス型に構え持久戦に備え、千日手の可能性を残して封じ手となった。
前日の藤井名人が封じていたのはさらに千日手を濃厚とさせる銀引きの一手。「封じ手の局面はあまり自信がなく、千日手の打開はあまり考えていなかった」と振り返ったが、永瀬九段が回避を選択。終局後には「千日手にすべきだったが、後手番の策があまりなかった」と悔しそうに振り返っていた。
ねじり合いの展開となると、藤井名人は陣形の堅さを活かしつつ丁寧な指し回しで主導権を握ることに成功。終盤戦は、果敢に踏み込んでと金を作った藤井名人の独壇場に。一瞬の間合いで6筋から先手の急所を突くと、永瀬九段の粘りの手順を断ち切ることに成功。最後は先手陣を完全包囲すると相手に一度もリードを許さず、“藤井曲線”を描いて後手番で快勝を飾った。
藤井名人の完勝に対するファンの反応は?




