将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第83期名人戦七番勝負第4局が5月17日、大分県宇佐市の「宇佐神宮」で始まった。シリーズは、3連覇を目指す藤井名人が開幕3連勝で防衛に“王手”をかけている。本局が決着局となるのか、後がない永瀬九段が踏ん張るのか、注目の火蓋が切られた。本局の先手番は藤井名人。
藤井名人の防衛3連覇か、永瀬九段のタイトル奪取か。大注目のシリーズは、若き絶対王者が3連勝と大きくリードして挑戦者を突き放している。
第1局は、永瀬九段の先手で両者得意の角換わりの出だしに。終盤まで手に汗握る展開が繰り広げられたものの、最後は藤井名人が長手数の詰みを読み切って圧巻の勝利。絶対王者が見せたあまりにも美しく恐ろしいほどの強さに、見るものすべてが圧倒されることとなった。
続く第2局は、後手番の永瀬九段が趣向を凝らした「3三金型角換わり」に誘導。ハイレベルで濃厚なラリーが繰り広げられる大熱戦となった。しかし、最終盤で藤井名人が“名人芸”とも言える手順の妙を披露。未知の局面でも高い対応力を発揮した藤井名人が2勝目を挙げた。
さらに5月9・10の両日に行われた第3局は、後手の藤井名人が2手目に公式戦で2局目の採用となる角道を開ける一手を選択した。相矢倉戦からねじり合いの展開となったが、果敢に踏み込んだ藤井名人が主導権を握ることに成功。先手陣を完全包囲すると相手に一度もリードを許さず、“藤井曲線”を描いて快勝を飾った。
第4局の舞台「宇佐神宮」とは…?




