■ALSの彼と結婚、介護の現実
将胤さん、木綿子さん
29歳の夏、木綿子さんは広告マンだった将胤さんに出会う。付き合い始めて1年が過ぎた頃、27歳の将胤さんがALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断される。「目の前が真っ暗になって。やっぱり夢は諦めなきゃいけないのかなとか…」(将胤さん)
ALSを発症すると、平均で3年から5年ほどで自力での呼吸ができなくなり、亡くなる人が多いという。そして、まだ根本的な治療法は見つかっていない。
結婚を考え始めていた矢先の宣告。その2カ月後、将胤さんからプロポーズを受けた。
「悩みましたけどね。このまま一緒にいていいのかなとか。友達とか反対する人もいたんですよね。でも、彼という人間に惚れていたので、病気だからとかは関係なく、私にしかできないことがあるかなって」(木綿子さん)
「彼女のことを本当に幸せにしたいという思いが強かったからこそ、僕と一緒にいることが彼女を逆に不幸にさせちゃうんじゃないかって思ったり…」(将胤さん)
私にしか掴めない幸せが、きっとある。木綿子さんは発症を知った上で、将胤さんとの結婚を決意した。「彼を精一杯支え、大切にします。どんな困難も二人で力を合わせて乗り越えていきます」(結婚式での木綿子さんのスピーチ)
新婚生活が始まるも介護に追われる現実
