ここ一番での勇気ある踏み込みに、敵も味方も目を見張ることとなった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」予選Aリーグ・第2試合、チーム伊藤 対 チーム豊島が6月14日に放送された。第7局では、この試合2度目のリーダー対決が実現。大熱戦の中で自玉が詰まないことを見切った豊島将之九段(35)が強く歩を成り込む判断が、見る者の心を揺さぶった。
両軍3勝3敗で迎えた第7局では、第3局に続き2度目のリーダー対決が実現。今期初リーダーを務める伊藤匠叡王(22)と豊島九段の対決となった。豊島九段の先手で角換わりの出だしとなった本局は、早々に前例を離れ未知の戦いに。接戦のまま終盤戦へともつれ込むこととなった。
チーム豊島の控室では、糸谷哲郎八段(36)が大石直嗣七段(35)と継ぎ盤を挟みつつ「いや~、耐えててー!」と祈るような仕草を見せる場面も。形勢不明の終盤戦とあり、トップ棋士をもってしても“神に祈るのみ”だったようだ。
「耐えてるの?耐えてたらスゴイよ!?」
