藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)、羽生善治九段(54)らが刻んできた実績から“将棋の神は早熟を好む”と言われているが、藤井竜王・名人と同学年の伊藤叡王も現在の将棋界をけん引する若きトップランナーの一人だ。
将棋はスポーツとは違い、対局中は動きが少ない種目と思われがちだが、午前中の対局開始から終局は日付を跨ぐこともあるほど過酷なもの。脳の酷使の影響か、一局で体重が2~3kg減少することもあるという。そのことから、将棋の研究に加えて体力作りのためにジョギングやジムでのトレーニングを日課にする棋士も多い。伊藤叡王も荒天や対局日以外は日々6~7km走っていることを公言しており、ずば抜けた脳年齢測定の結果はもちろんフィジカルも強靭と言えるだろう。
伊藤叡王は、14日に行われた叡王戦第5局で挑戦者の斎藤八段を破り、念願のタイトル初防衛に成功。藤井竜王・名人との“2強”として今後も棋界を背負うこととなる。終局後には「失冠を覚悟した場面もあったので、こうした結果につながったのが不思議な感覚」と語ったが、フルセットの末にタイトルを守り抜いたことは大きな自信となるはずだ。「もっといい将棋をお見せできるように」と意気込む伊藤叡王の今後に、期待は高まるばかりだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)





